2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on spatial graphs in the simple cubic lattice and its application to polymer science
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19K21827
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
下川 航也 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60312633)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | 格子結び目 / 空間グラフ / 多環状高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
この申請課題では、結び目理論と空間グラフ理論を駆使し、これまで多くの成果がある立方格子内の結び目の研究を、空間グラフの研究へと発展させることを目標としている。さらにその成果を多環状高分子の研究に応用し、複雑な構造をもつ高分子のトポロジーと物性との関連を明らかにしていく。 これまでに得られた次数が3の格子空間グラフに関するBFACF移動の結果を用いて、格子空間グラフのシミュレーションを開始した。本年度は、その実装のための準備として2次元の場合のシミュレーションを議論した。また、スラブ状領域、チューブ状領域における格子空間グラフの研究を進めている。結び目の場合には、制限のない領域から、スラブ状領域、チューブ状領域と制限された領域へと変化させることにより、結び目を構成する際の長さが長くなることが観察されている。空間グラフの場合にも同様の状況が起こるかどうかを考察している。特に、チューブ状領域の空間グラフについて、結び目の場合と同様に最少ステップ数が決定できるかどうかを考察している。これらの研究は、多環状高分子のトポロジーの研究に応用があることが知られているが、近年ではDNAのR-loopの研究にも応用があることが明らかになった。θ曲線を用いてR-loopがモデル化されるため、θ曲線の格子モデルの研究は、この応用も視野に入れ行うこととした。 来年度に、これまで得られた結果をまとめ論文として公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
論文の執筆、シミュレーションの実装などは今年度では完了せず、来年度に行うこととしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
準備段階のシミュレーションを3次元の場合に実装し、理論的成果とともに論文としてまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は研究成果の発表、共同研究者との打ち合わせとして予定していた出張を行うことが出来ず、次年度使用額が発生した。これらは次年度行う予定である。
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