2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K21831
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
田丸 博士 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (50306982)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | 対称空間 / カンドル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,カンドルと対称空間を相互に関連付けて調べるものである。今年度は,研究面および研究集会開催等の活動面において,以下のような進展があった: (1) カンドルの研究においては,部分集合が s-可換という概念を導入した論文を執筆し,査読を経て出版受理された。その続きに相当する研究は進展中であるが,まだ論文執筆には至っていない。また,関係する内容を,多くの研究集会やセミナーで口頭発表した。特に,対称空間研究の専門家を集めた国際研究集会「Geometry of Symmetric Spaces and Group Actions」においてカンドルに関する研究発表を行い,多くの海外の研究者が興味を持ってくれたと思われることは,今後の研究において重要であると考える。 (2) 対称空間への群作用と部分多様体を用いた幾何構造の研究も進展し,特定の Lie 群上において,左不変ローレンツ計量を分類した論文と,左不変シンプレクティック構造を分類した論文が,それぞれ出版受理された。これらは研究協力者との共著論文であるが,その後に,研究協力者による続編の論文が執筆され,それぞれ単著論文として出版受理された。 (3) カンドルと対称空間を含む様々な研究者を集めた「カンドルと対称空間」と題する研究集会を,昨年度と同じく11月にオンラインで開催した。対面での研究集会と比較すると,議論には制約がかかってしまったが,66名の参加者があり盛況であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カンドルそのものの研究は,論文執筆にとりかかるのが予定より遅れているが,その理由は対称空間側の研究が進展したためで,全体としてはおおむね順調と言って良いと考える。ただし研究集会の開催や,出張しての議論などを行うことができなかったことは,マイナス要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も,コロナ禍の影響で,対面での研究集会開催や,出張しての議論などを行うことはできなかった。今後は,できる範囲でそれを実行し,対面で会わないと進めることが難しい部分の研究も進めていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により研究集会や研究打ち合わせが全てオンラインとなったため,旅費の使途がなくなり,次年度使用額が生じた。次年度は,出張ができる状態であれば出張旅費として,そうでない場合にはオンライン機材の整備に使用する予定である。
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Research Products
(19 results)