2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of angle-resolved tunneling spectroscopy down to the micro Kelvin range
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19K21845
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉田 靖雄 金沢大学, 数物科学系, 准教授 (10589790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 佳憲 沖縄科学技術大学院大学, 量子物質科学ユニット, 准教授 (00707656)
松本 宏一 金沢大学, 数物科学系, 教授 (10219496)
辻井 宏之 金沢大学, 学校教育系, 教授 (10392036)
阿部 聡 金沢大学, 数物科学系, 教授 (60251914)
島村 一利 金沢大学, 総合技術部(理工), 技術職員 (80869991)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 非従来型超伝導 / トンネル分光測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ビスマス、重い電子系物質、絶縁体基板界面など、超低温領域(100mK近傍からμK領域)で発現する超伝導が相次いで発見され、注目を集めている。しか し、これらの超伝導体は、その転移温度の低さゆえに、測定手法が極端に限られており、さらに転移温度より十分低温での測定が可能な研究機関が世界的にも限 られていることから、超伝導の理解が進んでいない。そこで、本研究では、トンネル分光と超低温測定に関して知識と経験を有する応募者が、超低温技術、薄膜 作成技術の専門家たちと共同して、超低温における角度分解トンネル分光測定法を確立し、これらの超低温で発現する新奇な超伝導体の発現機構の謎に迫る研究 基盤を作る。国内でも非常に限られた研究機関でしか、実現できない研究であり、挑戦的研究として大いに意義がある。2020年度は、角度分解トンネル分光測定の製作を行った。汎用的な装置であるQuantum design社のPPMSに導入可能なインサートを作成し、極低温・磁場中で角度を試料の角度を変えるためのローテーターの制御とPPMSの制御を同時に行うプログラムの製作を行い、動作テストを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
測定セルの設計の度重なる修正や、制御プログラムの作成に難航したことが原因である。また、金沢大学の低温センターの液化機の更新により、液体ヘリウムを使えない時期が数ヶ月に及んでおり、それも研究の遅れにつながっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は遷移金属ダイカルコゲナイド超伝導体の面内磁場中での電気抵抗測定の角度依存性の測定を行うべく準備を進めている。また角度分解測定装置の希釈冷凍機への移設を行うための設計も行っている。
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Causes of Carryover |
研究の遅れから、次年度のへの持ち越しを行った。
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Research Products
(2 results)