• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

蛋白質の分子進化に関するエネルギー準位統計を用いたペプチドの網羅的解析

Research Project

Project/Area Number 19K21857
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

山中 雅則  日本大学, 理工学部, 教授 (20307698)

Project Period (FY) 2019-06-28 – 2023-03-31
Keywords準位統計 / 密度汎関数法 / ランダム行列理論
Outline of Annual Research Achievements

ペプチドのエネルギー準位統計の網羅的な解析を行なった。水媒質中のペプチドの立体構造を分子動力学法によりサンプリングを行い、同一のペプチドについて多数の立体構造のライブラリを作成した。次に、同一ペプチドの異なる立体構造毎に密度汎関数法や第一原理法などの量子化学計算を実行し、コーン=シャム軌道や分子軌道のエネルギー準位を数値的に計算した。これらのエネルギー準位から平均準位間隔を計算し、それらを基準としてアンフォールディングされたエネルギー間隔を算出し、異なる立体構造から得られたエネルギー準位間隔を統合して準位統計を求めた。
ペプチドのうち、ジペプチドについては、前年度実施した190個の他に、N末端とC末端の向きを区別した210個のジペプチドを追加して計算を行った。最高非占有軌道以上のエネルギーについては臨界準位統計となり、最低占有軌道以下のエネルギーについては、アミノ酸単体よりも統計分布が滑らかになるものの、依然として分子種に依存する準位統計を得た。ジペプチドの範囲内では臨界準位統計の範囲内であることが結論された。アミノ酸単体と低分子量ジペプチドでは基底関数としてcc-pVQZを用いていたが、分子量の大きいジペプチドでは計算ができなくなる。このために、計算コストのかからない関数系を数種類試すことにより、準位統計の関数系の依存性を検討した。低分子量のトリペプチドについて計算も行い、計算が終了した範囲内では臨界準位統計であることが判明したが、統計分布の分化(進化)についてはペプチドのサイズがまだ小さいために、明確には判断ができていない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ペプチドのN末端とC末端の向きも考慮するために、210種のジペプチド分子の追加の計算を行う必要が生じたため。トリペプチドについては分子量が大きいため、使用する基底関数を計算コストのかからない関数系としなければならず、その選択に関して試験計算が必要となったため。新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックにより、研究発表等の機会が少なくなったため。

Strategy for Future Research Activity

高分子量であるために未計算のトリペプチドについての計算を完了する。ジペプチドの計算結果については、論文発表を行う。トリペプチドの計算が終了次第、これらについても論文発表を行う。計算資源については新規導入の検討を行うなどの方法により、当初の研究計画を遂行する。

Causes of Carryover

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大のため、全ての学会がオンライン開催となり、研究成果の発表用の旅費を全く支出することができなかったため。加えて、最終年度も旅費の支出可能性が不透明であることから計算資源への使用を検討している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022 2021

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] ジペプチドのエネルギー準位統計における臨界統計性2022

    • Author(s)
      山中雅則
    • Organizer
      日本物理学会第77回年次大会
  • [Presentation] Energy level statistics of dipeptides and molecular evolution2021

    • Author(s)
      山中雅則
    • Organizer
      第59回日本生物物理学会年会

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi