2022 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical study and materials search on gigantic negative thermal expansion phenomena in correlated electron systems
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19K21858
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
望月 維人 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80450419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝藤 拓郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00272386)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | スピン-格子結合 / スピンー電荷結合 / 電気磁気相互作用 / 交差相関応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究でこれまでに解明した、磁性誘起負熱膨張物質におけるスピン-格子結合、スピン-電荷結合と、それらに由来する温度体積効果や交差相関応答を俯瞰し、これまでの研究成果に立脚した新しい方向性や展望を模索した。特に、平衡状態の物理を超えて、これまでの研究で明らかにした、磁性(スピン)と、結晶構造(格子)、原子変位、電荷(誘電分極)の結合が引き起こす非平衡現象や外場応答、励起現象、動的相転移といった新しい現象の探索・解明に取り組んだ、まず、三角格子上における伝導電子と局在スピンの結合を記述する近藤格子系において、光照射による120度スピン構造の発現を理論的に発見し、その物理機構を解明した。時間発展方程式に基づいて、系の電子構造と局在スピンの構造の時間変化を追ったところ、1.光照射による電子励起、2.動的繰り込み効果によるバンド幅現象とギャップ形成、3.励起電子の緩和、低エネルギーバンドの部分的一様占有状態の形成という4つのプロセスを経て、光照射下の非平衡定常状態として「擬ハーフフィリング状態」と呼ぶべき電子構造が発現し、この状態で安定化される磁気構造(今の場合は120度スピン構造)が実現することを明らかにした。この物理機構は、三角格子近藤格子系に限らず、スピン-電荷結合系において普遍的に期待される一般的なものであり、今後理論と実験のさらなる研究が期待される。この成果を論文にまとめ、Physical Review B誌に発表した。また、スピン-格子-電荷結合を媒介として、遷移金属酸化物CuOにおける電気マグノン励起の研究を、フランスのラマン分光実験グループと共同で進め、この物質の中間温度領域で実現する磁気誘電相で観測されているテラヘルツ周波数帯の電気マグノン励起スペクトルを完璧に再現した。この成果を論文にまとめnpj Quantum Materials誌に発表した。
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[Journal Article] Stabilizing electromagnons in CuO under pressure2022
Author(s)
M. Verseils, P. Hemme, D. Bounoua, R. Cervasio, J-B. Brubach, S. Houver, Y. Gallais, A. Sacuto, D. Colson, T. Iijima, M. Mochizuki, P. Roy, and M. Cazayous
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Journal Title
npj Quantum Materials
Volume: 8
Pages: 11/1-7
DOI
Peer Reviewed
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