2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K21863
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
清水 一男 静岡大学, イノベーション社会連携推進機構, 准教授 (90282681)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | マイクロプラズマ / 微粒子除去 / クーロン力 / プラズマアクチュエータ / Suzenモデル / 流体制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではプラズマアクチュエータと同様の構造である二対の電極と誘電体層からなるマイクロプラズマ電極(厚さ約100 μm)を用いて、金属微粒子(炭化タングステン微粒子)を対象として,電極表面上の微粒子の除去を目的に実験的検討を行った。 以下の結果が得られたので報告する。 1)印加した正弦波電圧の振幅による影響を調べたところ振幅の増加とともに除去率の増加が確認された。この結果は以下の2つの原因によるものと考えられる。1つは振幅を増加させることで発生するイオンの数が増加し,微粒子の帯電量が増加するため、もう1つは振幅を大きくすることで印加電界が大きくなり、微粒子にはたらくクーロン力が大きくなることで微粒子の飛散が促進されたためと考えられる。 2)各微粒子の除去率に関して周波数依存性を調べたところ、周波数の増加とともに除去率の減少が確認された。これは高周波数において線電極からの反発を繰り返すことにより線電極間で振動運動し、電極間にトラップされたためである。 3)各電極を用いて,電極表面上に粒径1um,5 um,10 umの炭化タングステン微粒子をそれぞれ載せ、微粒子除去の実験を行ったところ、粒径が大きくなるにつれ除去率が減少することが確認された。微粒子の帯電量はその微粒子の表面積で決まる。微粒子が球状であると仮定すると、微粒子の表面積は粒径の2乗に比例して大きくなる。一方で微粒子1粒あたりの重力は微粒子の半径の3乗に比例して大きくなる。そのため粒径が大きくなるにつれて微粒子が帯電することにより発生するクーロン力よりも重力が上回るため、粒径が大きくなることで炭化タングステン微粒子が除去されなくなったと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電極表面上の微粒子が絶縁物に続いて導体である金属微粒子の制御について印加電圧の振幅・周波数や微粒子の粒径を変化させ実験的検証を行い、印加した正弦波電圧の振幅による影響、周波数依存性、クーロン力と微粒子自体の重量による影響、イオン風による効果について明らかにすることが出来たことは、室外に設置された太陽光発電システムなどへの適用が可能となることを示唆するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
微粒子制御は静電界によるクーロン力とイオン風によることが可視化により明らかとなってきた。実験的な検討に加え、今後はシミュレーションによる流体の動向を合わせて探ることで流体制御検討を進めていきたい。
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