2019 Fiscal Year Research-status Report
Absolute-density measurement and precision magnetometry using quantum-state control of plasma excited species
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19K21864
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
占部 継一郎 京都大学, 工学研究科, 助教 (80725250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 陽介 京都大学, 工学研究科, 講師 (20589189)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 光ポンピング / プラズマ / 磁気強度計測 / 励起粒子密度計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度では,本研究を立ち上げるための研究体制の構築,実験場所の準備など,研究を開始するにあたって必要な事柄を進めた.その後,研究経費の設備備品費に計上していた,ヘリウム準安定励起原子の電子遷移に対応する波長を発振する半導体レーザーを導入した.レーザー素子と電源類を別個に購入することにより,当初の計画よりも低価格にて同レベルのスペックを有するレーザーを導入することが可能となった.残りの物品費は,レーザーのテスト実験に必要な光学定盤など,必要物品の購入に充て,本研究の円滑な進行のために使用した. 並行して,研究対象となるプラズマの生成実験装置を構成した.研究計画に記載した高気圧下でのプラズマ生成を誘電体バリア放電形式で行うこととし,放電試験を行った.また,放電空間内のガスの純度が本研究において非常に重要であるとこれまでの実験・検討で明らかになっているため,ガスシリンダーから出る高純度ガスの不純物を更に除去するためのガス精製器を購入し,放電ガス導入系に組み込むための機器を準備している. 購入したレーザーによるヘリウム準安定励起原子の光吸収,励起実験や,新たに構築した高純度ガス精製系による高気圧プラズマ生成実験など,2020年3月に予定していた実験は新型コロナウィルス感染症拡大により進められない状況が続いている.大学施設の使用制限が解除された後,これらの実験を速やかに再開し,研究計画に沿ったプラズマ励起粒子・微小磁場測定実験にステップアップしていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載した通り,本研究はおおむね当初の計画通り進んでおり,「(2)おおむね順調に進展している.」という区分に自己評価した.実験装置の準備はおおむね完了しており,最終年度である2020年度に挑戦的な計測実験を多角的に行う.新型コロナウィルス感染症拡大に伴う大学施設の使用制限により実験が進められない状況が続いているが,理論的検討や実験計画の具体化を進め,制限解除後に大きく研究が進展するよう準備を進めているところである.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,2019年度に準備した半導体レーザーと高純度ガス導入系を個別に試験し,その後既に構築済みである高気圧プラズマ生成系に組み込んで全体のシステム調整を行う.その後,光ポンピング磁気測定装置にプラズマ生成系を導入する.従来の光ポンピング計測と比較して磁気シールド内に入る機器が多く複雑になるため,ヘルムホルツコイルの小型化など必要な改造を行う.その後,プラズマ中励起粒子の光ポンピングによる高感度磁気測定,励起粒子絶対点密度測定実験を進め,新たなコンセプトに基づくプラズマ量子計測技術を提案する.
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Causes of Carryover |
設備備品費で計上していた半導体レーザーの導入費用が研究代表者の工夫により当初よりも低額になった.また,新型コロナウィルス感染症拡大により,2~3月の実験が停滞し実験系の最適化に必要な機器を購入できず,また学会参加のための旅費も各学会中止により使用しなかった.これらの理由により生じた次年度使用額は,主に2020年度の消耗品費用,特に近年急速に価格が上がっているヘリウムガスの購入費用に充てることとした.
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