2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of displacement-noise-free neutron/atom interferometer for detecting primordial gravitational waves on earth
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19K21875
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川村 静児 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (40301725)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 原始重力波 / 変位雑音フリー干渉計 / 中性子干渉計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、宇宙誕生直後のインフレーション時に生成された原始重力波を地上において検出するための全く新しい手法を開発することである。その方法としては、以前に研究代表者らが考案した変位雑音キャンセル法に、中性子干渉計あるいは原子干渉計を組み合わせて、低周波帯において感度を著しく改善することが可能であるかどうかを理論的・実験的に見極める事であった。そして、2019年度に行った調査の結果、変位雑音フリー中性子干渉計を中心に、今後の研究を進めていくことに決定した。 2020年度は、理論面では、マッハツェンダー干渉計に異なる速度をもつ2群の中性子を入射することにより、速度に対応する2つの干渉計信号をフーリエ変換し、各周波数において、周波数に依存する適当な係数をかけて2つの干渉計信号のコンビネーションを作ることにより、鏡およびビームスプリッターの変位雑音をキャンセルし、かつ重力波信号を残すことができることを示した。また、さらにもう一つ異なる速度の中性子を加えることにより、追加で挿入された4つの鏡の変位雑音をキャンセルすることができることを示した。 実験面では、変位雑音フリー中性子干渉計の原理実証実験の設計を行った。当初は、原子力研究所のビームラインにおいて実績のある中性子スピン干渉計で使われていた一体型の鏡/ビームスプリッターを用いて設計を行っていた。しかし、その方式だと2つの中性子のパスのうち直交する部分が短すぎるため、原理検証実験としてはやや不十分であることが判明した。そこで、独立な鏡とビームスプリッターを用いた設計に変更したのであるが、残念ながら素子の価格が予想以上に高く断念した。そこで、再び、一体型の鏡/ビームスプリッターの設計に戻し、セットアップの詳細を詰めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論面においては、異速度中性子干渉計についてのより詳細な検討を行い、その振る舞いについての理解が大きく進んだことから、『当初の計画以上に進展している』といえる。 実験面では、変位雑音フリー中性子干渉計の設計を確定するまでに時間がかかり、実際の実験は開始できなかったという点で、『やた遅れている』と言える。 これらを総合的に判断すると、全体の研究としては『やや遅れている』と言えるであろう。
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Strategy for Future Research Activity |
理論面においては、変位雑音フリー中性子干渉計の原理についての検討結果を論文にまとめる。 実験面においては原子力研究所のJ-PARCにおいて、変位雑音フリー中性子干渉計の原理実証実験を行う。一体型の鏡/ビームスプリッターを用い、アクセラレーター・コイルにより重力波の影響を模擬する。そして鏡の影響は一体型の鏡/ビームスプリッターの回転振動で模擬する。速度の異なる2つの中性子に対しての干渉計信号のコンビネーションをとることにより、重力波信号を残したまま、鏡の変位信号をキャンセルできることを実証する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスのため、さまざまな遅れが生じたため。 次年度はセットアップの購入と実験を行う。
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[Presentation] 重力波検出のための変位雑音フリー中性子干渉計の開発(2)2020
Author(s)
内藤丈雄, 森本泰玄, 西澤篤志, 清水裕彦, 北口雅暁, 山田梨加, 渡辺泉実, 黒柳幸子, 石川智浩, 岩口翔輝, 川村静児
Organizer
日本物理学会
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[Presentation] 重力波検出のための変位雑音フリー中性子干渉計の開発(3)2020
Author(s)
森本泰玄, 内藤丈雄, 西澤篤志, 清水裕彦, 北口雅暁, 山田梨加, 渡辺泉実, 黒柳幸子, 石川智浩, 岩口翔輝, 川村静児
Organizer
日本物理学会