2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of displacement-noise-free neutron/atom interferometer for detecting primordial gravitational waves on earth
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19K21875
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川村 静児 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (40301725)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 重力波 / 変位雑音フリー干渉計 / 中性子干渉計 / マッハツェンダー干渉計 / J-PARC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、宇宙誕生直後のインフレーション時に生成された原始重力波を地上において検出するための全く新しい手法を開発することである。その方法としては、以前に研究代表者らが考案した変位雑音キャンセル法に、中性子干渉計を組み合わせて、低周波帯において感度を著しく改善することが可能であるかどうかを理論的・実験的に見極める事である。 最終年度は、J-PARCにおいて変位雑音フリー中性子干渉計の原理実証実験を行った。具体的には、前年度に製作した、ジグザグタイプのアルミ板とピエゾ素子からなるアクチュエーターをマッハツェンダー干渉計の片腕に挿入し、100Hz, 150Hz, 250Hz, 300Hzの4種類の周波数で光路長を変調しデータを取得した。データの解析を行ったところ、予想通りの信号が得られており、おおむね原理検証に成功したと言える結果が得られた。 以下、研究期間全体を通じて実施した研究の成果についてまとめる。理論面においては、大小2つのマッハツェンダー干渉計に中性子を両側から入射することによって得られる変位雑音フリーの重力波信号の特性について詳細な検討を行い、その結果を論文として発表した。また、異なる速度をもつ2群の中性子を両側から入射した単一のマッハツェンダー干渉計についても詳細な検討を行い、その結果を論文として発表した。さらに、異なる速度をもつ4群の中性子を片側から入射した単一のマッハツェンダー干渉計についても論文を発表した。また、実験面においては、変位雑音フリー中性子干渉計の原理実証実験を行った。具体的には、ジグザグタイプのアルミ板の角度をピエゾ素子で振動させるアクチュエーターを設計・製作し、それを用いて、J-PARCにおいて原理検証実験を行うことに成功した。
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