2020 Fiscal Year Research-status Report
高時間解像度編年研究を加速する高精度超微量放射性炭素年代測定の開発
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19K21894
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大森 貴之 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (30748900)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 放射性炭素 / 年代測定 / 微量分析 / 高精度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、COVID-19の対応における緊急研究課題の遂行が必要となったため、本研究課題の推進を一次的にストップした。2020年4月-5月の時点では、加速器質量分析計(AMS)による超微量年代測定法の確立を目的に、2019年度までに製作した超微量反応系の構築とその予備実験を踏まえ、手法検証のための基礎データ収集および実試料への応用を予定していた。しかし、度重なる緊急事態の発令や所属大学機関の活動制限により、所属研究機関の研究環境整備、具体的には、分析システムの自動遠隔化が喫緊の課題となり、同年6月以降、システム開発に専念することが優先された。活動制限の中での研究遂行も難しく、当初予定していた研究計画はほぼ進んでいない。また、研究成果の公開のために参加を予定していた国際学会も延期措置が講じられたため、2020年度の研究発表は行っていない。 2020年度に予定していた研究計画は次年度にそのまま繰り越し、超微量反応系の最適な条件検証とともに、XRDやSEMを用いた化学組織や微細構造の化学状態観察から、分析ルーチンの確立を進めるほか、堆積物試料などを用いた応用試験に移行する予定である。超微量反応系の政策や予備実験については、2019年度で既に完了しているため、研究再開ができればスムーズに研究を推進できると考えている。なお、COVID-19対応のため、新たに設計構築した試料調製の自動遠隔操作システムは、本研究課題の推進においても利用可能であり、操作の大幅な効率化が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の対応を優勢する必要があったため、本研究課題の推進を一時的にストップした。緊急事態宣言および所属大学機関の活動制限をうけ、所属研究機関の研究環境整備を進めなくては、研究活動が行えなくなったからである。具体的には、分析システムの自動遠隔化が喫緊の課題となり、制限下であっても安定運用可能なしくみが必要になった。活動制限下の中での研究遂行も厳しく、当初予定していた、本研究課題がはほぼ進んでおらず、これまでの研究成果公開にも至っていない。予定していた、国際加速器質量分析シンポジウムや、国際放射性炭素会議もCOVID-19の影響で開催が延期された。 本研究課題の遂行は、大幅に遅れた、というよりは、進捗がないが緊急に開発した自動遠隔操作システムは、本研究にも大きく活用でき、安定的かつ良質な試料調製のプラットフォームを手に入れることができたとも言える。これにより、操作の大幅な効率化が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に予定していた研究計画は次年度にそのまま繰り越し、超微量反応系の最適な条件検証とともに、XRDやSEMを用いた化学組織や微細構造の化学状態観察から、分析ルーチンを確立する。 具体的には、超微量反応系において、高い収率でセメンタイトターゲット合成を可能とする反応条件の検証を行い、XRDやSEMを用いた化学組織や微細構造の観察から最適条件の最終評価を行う。最終評価が完了後、標準物質を用いた基礎データ収集と堆積物試料などを用いた応用試験に移行する予定である。研究成果の公開については、COVID-19により延期になった国際会議が2021年度に開催されれば発表を行い、また、これまでの成果を国際専門雑誌へ投稿のため論文の準備を進める。
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Causes of Carryover |
2020年度は、COVID-19の対応における緊急研究課題の遂行が必要となったため、本研究課題の推進を一次的にストップしたため、次年度使用額が生じた。また、研究成果の公開のために参加を予定していた国際学会も延期措置が講じられたため、計上した予算も延期開催に向けて繰り越している。2020年度に予定していた研究課題は、研究活動再開に伴い、2021年度にそのままあてる予定である。
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Research Products
(2 results)