2021 Fiscal Year Annual Research Report
実構造物の高信頼化と欠陥発生機構解明に挑戦する超多点レーザ走査3D超音波映像法
Project/Area Number |
19K21910
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小原 良和 東北大学, 工学研究科, 准教授 (90520875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 毅 東北大学, 工学研究科, 教授 (20174112)
辻 俊宏 東北大学, 工学研究科, 助教 (70374965)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 超音波探傷 / 非破壊評価 / フェーズドアレイ / レーザドップラー振動計 / 3次元映像 |
Outline of Annual Research Achievements |
実構造物に発生する「き裂」は複雑な3次元(3D)形状を有することが多いが、それらの3D映像化が実現されれば、正確な3D欠陥形状と破壊力学に基づく新たな効率的強度評価や維持管理が可能となり、さらには実構造物の欠陥発生機構解明にもつながることが期待できるが、現場適用可能な非破壊映像法は、最新の超音波フェーズドアレイでも2次元(2D)映像化に限られていた。ラボレベルでは、2Dマトリクスアレイによる3D映像化の研究も始まったが、作製技術・装置価格の問題による素子数不足(最多256:16×16)がボトルネックだった。本研究では、従来より一桁以上大きい超音波を発生可能な「大振幅超音波送信技術」とフレキシブルな機械走査により超多点計測を実現できる「超多点レーザ走査アレイ受信」の融合により「超多点レーザ走査3D超音波映像法」を創出することを目的とする。2021年度は、下記2項目を遂行した。
[1] 前年度までに構築した3D映像法を、空冷式油圧疲労試験機で作製した疲労き裂に適用し、受信点数依存性を検討した。その結果、受信点数が256(圧電マトリクスアレイ探触子の限界)では、映像分解能が低く、き裂形状の可視化はできなかった。また、き裂深さも過小評価してしまうことが分かった。一方、4275点(75×57)の超多点計測では、多数の散乱源の集合として疲労き裂を高分解能で3D映像化することに成功した。また、き裂深さも高精度に計測でき、最も深い応答をつなぐことでき裂の3D形状を計測できることが分かった。
[2] 構築した3D映像法を、原子力発電プラントなどで問題となっている枝分かれ応力腐食割れ試験片にも適用した結果、3600点(60×60)の超多点計測により、複雑な枝分かれを映像化することに成功した。
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