2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of "Manufacturing Process by Creatures"
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19K21922
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
津守 不二夫 九州大学, 工学研究院, 教授 (10343237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藏田 耕作 九州大学, 工学研究院, 准教授 (00368870)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 根 / 微細構造 / ガラス / セラミックス / 菌根菌 / 多階層構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主な成果は以下の通りである.ガラスナノ粉末材料を用い,ライムギやコウジカビを成長させガラス流路構造を作製する基本プロセスを完成させた.具体的には以下の3点である.1:ガラス焼成時に透明化する条件を確定させた.2:繰り返しひずみを付与した培地におけるコウジカビの培養を実施し,成長異方性を確認した.3:アーバスキュラー菌根菌との共生状態を作り,根と菌根菌の両方の構造をガラス内に残した.まず,ガラスの透明化には2つの観点から評価することが重要であることがわかった.ひとつは緻密化である.微細な気孔が残ることにより,構造は白く濁り透明化できなくなる.もうひとつは,ガラスの材質自体にある.焼結体のXRD分析を行ったところ,ガラス非晶質の結晶化が進むことにより濁りが確認されるようになった.緻密化が確認でき結晶化しない焼結温度域を確定した.繰り返しひずみ付与実験結果についてはコウジカビを培養し確認した.10%の繰り返しひずみ付与した場合に縦方向に菌糸が成長している様子が確認できた.引き続き実験パラメータを変えながら傾向を確認しつつ,構造設計手法を確立していく予定である.3つ目,実験に用いる生体に共生関係にある植物と菌根菌を用いた例では,主根構造,根毛構造,菌糸構造という異なるスケールを共存させたままガラス構造として得られることを確認できた.特に菌根菌の太さは3~5μm程度であり,提案する加工プロセスの高い解像度についても証明できる成果と言える.
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