2020 Fiscal Year Annual Research Report
抵抗低減効果を有する界面活性剤水溶液の緩和時間に基づく熱と流体のアナロジー
Project/Area Number |
19K21931
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉野 真司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40345947)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 抵抗低減 / 界面活性剤 / 粘弾性流体 |
Outline of Annual Research Achievements |
流動抵抗低減効果(DR効果)を有する粘弾性流体の「熱と流体のアナロジー(相似則)」は未解明な熱流動現象の一つである。本研究では、流動抵抗低減効果(DR効果)を有する界面活性剤水溶液を円管内流れの壁面スリットより円周方向に一様に注入した場合の、界面活性剤ミセルのネットワーク構造が形成される過程(流れ方向変化)に着目して研究を進める。局所的な管摩擦係数と熱伝達率の多点同時計測を駆使して、抵抗低減率と熱伝達率低減率の流れ方向変化を明らかにし、熱と流体のアナロジーの成立・不成立条件を見出し、緩和時間に基づく新しい熱と流体のアナロジーを提案することを最終的な目標としている。 2020年度は、まず、新たに製作した溶液注入機構を用いて、水および界面活性剤水溶液を注入した場合の圧力損失(管摩擦係数)の流れ方向変化を測定し、抵抗低減率の流れ方向分布を明らかにした。管断面平均速度に対する注入速度比を0.2,0.4,0.6,0.8と変化させることで、注入速度比が抵抗低減率の流れ方向変化に及ぼす影響を明らかにした。次に、水および界面活性剤水溶液を場合のPIV計測を実施することで、乱流渦構造および乱流統計平均量(平均速度分布、乱流強度分布、レイノルズせん断応力分布)の流れ方向変化を調べ、抵抗低減率との関係を明らかにした。さらに、一様な界面活性剤水溶液の抵抗低減円管内流れのPIV計測結果と比較することで、溶液注入に特有の抵抗低減メカニズムについて考察した。
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Research Products
(4 results)