2019 Fiscal Year Research-status Report
Demonstration of piezoelectric properties of novel 2D materials toward energy harvesting
Project/Area Number |
19K21956
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長汐 晃輔 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (20373441)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
Keywords | SnS / 強誘電特性 / 環境発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
SnSは圧電だけでなく強誘電特性を有することが知られている.今回,その強誘電性を示すことで圧電特性を持つことを実証した. マイカ上にPVD成長した単層SnSにおいて第二光調波(SHG)を検出し,分極構造を有することを確認した.半導体でもあるSnSの分極反転に伴う微小な変位電流を検出するには金属界面との界面にショットキー障壁を形成し,チャネル部の伝導を抑制することが必要だと考えられる.そこで,マイカ上バルクSnSに仕事関数の異なる種々の金属電極を取り付けショットキー障壁高さの2端子測定を行った.仕事関数の大きな金属(Cu, Ni, Pd, Au)ではオーミックな電流電圧特性が得られたのに対し,仕事関数の小さな金属(Al, Ag)では非線形な電流電圧特性が得られた.この結果は,p型半導体であるSnSに対して仕事関数の小さな金属電極を用いることでショットキー接合を形成できることを示唆している.Agコンタクトを用いた数層~単層SnSのデバイスの室温における電流電圧特性は,ある電界で電流値のピークをもっており,分極反転に伴い変位電流が流れるという強誘電体で観測される特性を示した.変位電流であることを確かめるために印加電圧の正・負側で2回ずつ掃引するDouble-wave測定を行い,分極反転が起こる1回目の掃引のみピークが生じ,分極の向きが維持される2回目は生じない挙動を得た.以上より,SnSの強誘電特性(圧電特性)を実証することができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまで困難であったSnS単層成長をPVD法により達成し,その強誘電特性を示すことに成功している.以上の結果は,当初の計画を超えるものである.
|
Strategy for Future Research Activity |
環境発電向上にはバルクで圧電特性を示す必要ある.今後の研究は,スパイラル成長によるバルク圧電特性の向上を目指す.スパイラル成長を積極的に制御する手法として,成長温度を低下させることで,成長に対してエネルギー障壁の存在する二次元核生成・成長機構を排除し,スパイラル成長を優先的に成長させることを試みる.また,別の手法として,スパイラル成長の起点となる原子ステップを有するグラファイト基板上にSnSを成長させることを試みる.さらに,原子レベルで平坦なマイカ基板にCVD単層グラフェンを転写し,意図的に原子ステップを導入した基板での成長も試みる.以上より,今年度は,バルク圧電特性のためのスパイラル成長に絞って研究を進める計画である.
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] "2D layered semiconductors",2019
Author(s)
K. Nagashio,
Organizer
7th International symposium on organic and inorganic electronic materials and related nanotechnology, (June 19-22, 2019, Shinshu Univ. Nagano, Japan)
Int'l Joint Research / Invited
-
-
-
-
-