2019 Fiscal Year Research-status Report
Trial study for recovery of radioactively contaminated soil: Establishing framework of separation and mixing techniques
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19K21994
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
勝見 武 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (60233764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 敦史 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (30598347)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 放射性物質 / 除去土壌 / 分級/混合 / 粘性土 / 石系材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、放射性セシウムを含む廃棄物の焼却灰を埋立処分する際に利用が想定される、ゼオライト添加型ジオシンセティッククレイライナー(ZGCL)の隔離層への適用性を評価するため、セメント固化に伴い高アルカリ化した浸出水を用いて遮水性及びセシウム吸着性への影響を評価した。その結果、一般的なGCLと同様に、ZGCLにおいてもpHの緩衝作用が確認された。遮水性に関してはアルカリ溶液による劣化は確認されず、ベントナイトの相対量が少ないケースでアルカリ性条件で透水係数の低下が確認された。いずれの条件でも混合型より複層型の方がベントナイト密度が高いために低い透水係数を示した。セシウム吸着性に関してはゼオライトとベントナイトの比率やゼオライトの添加方法に関わらず、ゼオライト量1000g/m2で高い吸着性能を発揮しうることが示唆された。 放射性物質濃度が高い土の再生利用には、分級処理を行う方法(少量の高濃度土と多量の低濃度土に分離)と、時間の経過により放射能の減衰を待つ方法とがある。一方、粘性土(放射性濃度が低いもの)は、そのままでは利用に不適なため保管するか、粒度のよい土に混合して利用する方法が考えられる。時間の効果も考慮し、異なる放射性セシウム濃度レベルの市街地除去土壌や農地除去土壌が存在する場合の分級/混合の組み合わせの最適解を提案するため、2019年度は特に文献調査により放射性セシウムの溶出特性と粒度の関係について情報を収集するとともに、欧米での放射性物質含有土への対応策について資料を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、放射性セシウムを含む廃棄物の処理に利用されるゼオライト添加型ジオシンセティッククレイライナー(ZGCL)の隔離層への適用性を評価し、遮水性とセシウム吸着能の観点から学術的な成果を得ることができた。また、土質系材料の放射線濃度を適切に管理しつつ利用を促進するための分級/混合技術の組み合わせについて既存のデータを集約できたことは、次年度の検討につながるものであり、順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、特に分級/混合技術の有効性を実験的に評価するとともに、その濃度低減メカニズムを微視的構造観察に基づき明らかにするとともに、材料の比表面積等の関係から濃度低減効果を予測しうるモデルの提案を目指す。このモデルを用い、各材料の発生量に基づいて、作業効率ならびにコストの観点から最適化を行う。
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Research Products
(4 results)