2020 Fiscal Year Research-status Report
New Development of Strong Motion Evaluation and Realtime Prediction by Deep Learning
Project/Area Number |
19K22002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大野 晋 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (40361141)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 深層学習 / 強震動評価 / 即時予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,建物側に比べて精度が低い地震動の評価精度の向上を目指して,東北地方の超巨大地震の大振幅記録を含む非常に多くの強震記録を用いて,深層学習を用いた強震動予測や地震動の即時評価・面的評価に挑戦している。 令和2年度は,研究の2年目として,初年度に実施した加速度応答スペクトルの深層ニューラルネット(DNN)への適用性の検討をさらに進め,震源・観測点位置情報をセットで与えることで,震源の地域性だけでなく,異常震域のような伝播経路の地域性も評価できること,ただし評価精度はデータ数に大きく依存し,現状では西日本の評価精度が東日本よりも低いことを確認した。 早期地震警報への適用については,初年度に引き続き建物応答へのLSTMの適用性について検討した。トレーニングデータに大変形まで含む必要はあるが,2方向入力の場合でも精度良くモデル化できること,ウエーブレット変換の利用が学習負荷を低減し効率的であること,非線形の荷重変形関係までモデル化できることを確認した。 地震後の面的地震動評価については,まず実施者らが過去に提案した等価線形スペクトルモーダル解析による地盤増幅補正と周期別空間相関を用いた基盤での面的補間を組み合わせた手法により,仙台市域の応答スペクトルの面的予測結果をトレーニングデータとして作成した。これに対してkNNとCNN,DNNを組み合わせた代理モデルの学習を行い,まだネットワーク構成に検討の余地があるものの,応答スペクトルの卓越周期・ピーク振幅とも良好に再現可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
加速度応答スペクトル評価についてはほぼ予定通りである。早期地震警報については建物応答モデルによる評価がやや遅れ気味であるが,ほぼモデル化はできているため,地震動予測との組み合わせ評価に移行できると考えている。地震動の面的評価は予定以上に進捗しており,総合してほぼ予定通りと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度であり,地震動の加速度応答スペクトルの評価については,もっとも大きな課題である面震源効果を取り込んだ検討を行う。早期地震警報については,昨年度まで得られた建物応答モデルと地震動予測との組み合わせについて検討を行う。地震収束後の面的地震動分布推定については,昨年度得られたネットワーク構成の最適化を進める予定である。最後に,研究の最終年度として総括を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナの感染拡大により,当初予定していた学会がリモート開催もしくは延期となり旅費や参加費の支払いがなかったこと,データストレージや大学院生への謝金を一部次年度に繰り延べたためである。これらのデータストレージや謝金,延期となった学会の参加費などについては,今年度使用予定である。
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