2021 Fiscal Year Annual Research Report
農工連携による離島漁村集落のオフグリッドに向けた炭素・窒素の島内循環への挑戦
Project/Area Number |
19K22006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大風 翼 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (40709739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 千佳 東北大学, 農学研究科, 准教授 (30413892)
米澤 千夏 東北大学, 農学研究科, 准教授 (60404844)
川島 範久 明治大学, 理工学部, 専任講師 (70738533)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | メタン発酵 / 農村 / バイオガス / 資源循環 / 生ごみ / 嫌気性発酵 / 消化液 / 液肥 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、試作した1層式のメタン発酵装置を用いて、室内実験により、生ごみの分解率、バイオガスガスの発生量やガスの組成、消化液のpHの変化など基本的な性能の評価を行った。発酵槽の容量は、およそ30Lとし、担体として黒炭を3 kg配置した。生ごみは、300g程度を3日おき程度に投入した。発酵槽は、サーモスタット付きヒーターを用いて、およそ30℃に保った。助走運転の後、システムが安定してから1か月間計測を行った。消化液のpHは測定期間を通して、一定値で安定していた。今回の試験では、家庭での使用を想定し、撹拌等は行わなかったが、最低でも6割程度の生ごみが分解され、粉砕して投入した場合は、分解率が向上した。バイオガスの組成は、55~60%がメタンであり、生ごみを用いた既往のプラントで発生するバイオガスと同程度の組成であった。今回得られた消化液の電気伝導度は、10~20 mS/cmであり、10倍程度の希釈で、農地に液肥として活用できる可能性が示された。 続いて、本装置を離島の協力者の裏庭に設置し、試験的な運用を行った。冬期間においても、ややガスの発生が少なくなるものの、保温により、メタン発酵が進む温度を確保できることを確認した。発生した消化液については、協力者の農地への還元を試みるなど、活用方法を模索した。バイオガスについては、1家庭当たりの発生量は少なく、その活用法については検討が必要である。また、関心のある島民にシステムの概要を説明するとともに、家庭に導入するにあたっての装置の改善点や運用上の注意点などを抽出し、今後の課題として整理した。 以上、研究成果ついて取りまとめるとともに、審査付き論文として発表すべく、原稿の執筆を行った。
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