2021 Fiscal Year Annual Research Report
高効率捕集性能を有する排気装置POL-CAPTUREの革新的開発手法に関する研究
Project/Area Number |
19K22011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 俊夫 大阪大学, 工学研究科, 教授 (80182575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袁 継輝 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10781437) [Withdrawn]
崔 ナレ 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10826481)
小林 知広 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (90580952)
小林 典彰 大阪大学, 工学研究科, 技術職員 (60880656)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 局所排気フード / 感染症予防 / 診療室 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々なフード形状のうちでは、フランジ形の汚染物捕集性能が最も高いことが明らかになったことから、フランジ形のフードを病院の診察室に導入し、患者の会話や咳によって発生した新型コロナウイルス等を含む飛沫核の移流拡散性状に焦点を当て、対面する医者の感染リスクをCFD解析により評価した。なお、室内気流がフードの捕集性能に及ぼす影響をなくすため、給気については、床面全体から低速で給気を行う床全面吹き出し給気方式(床染み出し空調)を採用した。解析のパラメータとしては、床面給気量、フード排気量、天井面排気量、フード高さとフード水平位置とした。CFD解析は、主として会話を対象とした定常解析と、咳を対象とした非定常解析であり、いずれも乱流モデルとしては標準k-εモデルを採用した。その結果、フードの排気量と会話による飛沫核捕集率との関係をはじめとして、様々なフードパラメータと捕集率及び、医者の暴露飛沫核量を定量化することに成功した。 また、解析空間を再現した実験装置を作成し、CFD解析の精度について検討を行った結果、捕集率や医者の感染リスクのいずれにおいても、CFD解析の結果は実験結果よりも捕集率が高く、医者の感染リスクも低いものであった。これは、実験装置での床吹き出し気流の不均一性と、トレーサーガスの発生性状の差異に起因するものと考えられる。 3年間の研究の成果により、高効率捕集性能を有する排気装置POL-CAPTUREとしては、フランジ形フードが最も外乱に対する耐風性能が高く、汚染物を効率良く捕集できることが明らかとなり、床全面吹き出し空調とフランジ形フードを組み合わせることで、会話によって発生する飛沫核による医者の感染リスクを極めて小さくすることができることが明らかとなった。 本研究での研究開発手法は、今後の高効率フードシステムの開発研究において、重要な視座を与えるものである。
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Research Products
(2 results)