2019 Fiscal Year Research-status Report
3-D structure of thundercloud estimated by imaging on the ground and from micro-satellite
Project/Area Number |
19K22021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 幸弘 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50236329)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 積乱雲 / 立体構造 / 超小型衛星 / 地上観測 / 撮影 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、近年一般にも普及が進んでいる3Dモデル作成ソフトウェアを使うことで、衛星及び地上の複数の観測点から雲撮像を行い、それらから雲の高解像度3Dモデルを連続的に提供する手法の確立を目的とする。稼働している申請者グループが独自開発した超小型衛星を用い、対象物に視野方向を固定したまま数秒以内に複数回撮像するターゲットポインティング撮像を実施することで、雲上面の立体構造の高精度計測を実現する。衛星から上・中部を、また地上から主に雲の中・下部を同時観測し、これらのデータを接続することで、これまでに類をみない雲全体の精密測定が可能になる。 2019年度は夏期に学生や研究者を動員した手作業での観測キャンペーンを実施し、観測システム製作のための知見を得るとともに、雲の3D構造の推定に成功した。衛星観測については、観測キャンペーン中に、申請者らのグループが開発し現在運用中のフィリピンのDIWATA-1など複数の超小型衛星を用いた地上との同時観測を試みたが、運用のミスなどで良好なデータの取得はできなかった。一方、過去に実施した観測で得られたデータの解析を進め、台風の目の雲構造推定の精度向上などを行った。そうした成果を、Scientific Reportsへの投稿、改訂を行った(2020年度に受理)。 2020年度は、これまで得られた雲の3D構造と他の気象観測との比較、2019年の経験に基づく新たな装置の製作とそれを用いた観測の実施、衛星の通過時に複数回の観測による積乱雲発達の推定などを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、デジタルカメラとGPS及び通信モジュールからなる専用の雲撮影システムを6式程度製作することとしていたが、それに先立ち、2019年度は夏期に学生や研究者を動員した手作業での観測キャンペーンを実施し、装置製作に必要な知見を得ることとした。そこで取得された地上データの解析を行い雲の3D構造の推定に成功し、地上レーダーなどとの比較の準備が整った。また衛星観測については、観測キャンペーン中に、申請者らのグループが開発し現在運用中のフィリピンのDIWATA-1など複数の超小型衛星を用いた地上との同時観測を試みたが、運用のミスなどで良好なデータの取得はできなかった。一方、過去に実施した観測で得られたデータの解析を進め、台風の目の雲構造推定の精度向上などを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に実施した地上観測の経験に基づき、数週間固定設置できる観測システムを製作し、観測を実施する。また、2019年度および2020年度に得られたデータをレーダーなどの各種観測と比較し精度検証を行う。積乱雲活動期に、他の地上及び衛星による直前の観測から、発達の可能性のある積乱雲を選定し、超小型衛星の当該地域の通過に同期させて、地上及び衛星からのステレオ撮像を実施する。1回の衛星通過時に複数回の観測を試み、積乱雲発達の把握を目指す。
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Causes of Carryover |
2019年度はCOVID-19の影響により、フィリピンでの観測および解析打ち合わせができず、また装置開発のための試験観測を優先したため、装置開発に遅れが生じた。2020年度は、COVID-19が収束次第フィリピンに渡航して観測・衛星運用・共同解析を行うこととしており、そのための旅費と、装置完成のための部品購入に使用する。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Development of observation system for typhoon and thunderstorms with micro-satellites and ground-based lightning network2019
Author(s)
Yukihiro Takahashi, Mitsuteru Sato, Hisayuki Kubota, Kozo Yamashita, Tetsuro Ishida, Ellison C. Castro, Loren Joy Estrebillo, Purwadi, Meryl Algodon, Gay Jane P Perez, Joel Joseph Marciano, Jun Matsumoto, Jun-Ichi Hamada, Kazuhisa Tsuboki and Hiroyuki Yamada
Organizer
AGU Fall meeting
Int'l Joint Research
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