2022 Fiscal Year Annual Research Report
被災地で発生する軟弱泥土の積極的再利用による迅速な復旧工法の提案
Project/Area Number |
19K22022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 弘 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (90188045)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | 水溶性ポリマー / 軟弱泥土改良 / ジオポリマー / パーライト副産物 / 破壊強度 / 破壊ひずみ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,改良土を復旧のための地盤材料として使用することを目指すため,乾湿繰返しに対する耐久性について検討した.地盤は降雨などにより水を含むと膨潤し,乾燥すると収縮するため,乾湿を繰り返すと地盤材料に亀裂が生じ,強度が低下する懸念がある.そこで,乾湿繰返し試験を実施し,劣化耐久性を評価する.試験方法は,建設汚泥利用マニュアルに記載されている方法に準じ,「40℃炉乾燥2日間,20℃水浸1日間」を1サイクルとし,10サイクル終了後も強度が初期の80%以上を保持することを目標とした. はじめに,ボード紙を用いて繊維質固化処理土を作成し,1軸圧縮試験を行った結果,ボード紙の添加量を調整すれば,古紙を用いた繊維質固化処理土とほぼ同程度の強度を有することが分かった.そこで,ボード紙と古紙を用いた繊維質固化処理土をそれぞれ作成し,上記の乾湿繰返し試験を実施した.その結果,繊維質物質の種類を問わず添加量の多さが乾湿繰り返しに対する耐久性に大きく影響を及ぼすことが確認され,ボード紙固化処理土も乾湿繰り返しに対して高い耐久性を示すことが分かった.すなわち,ボード紙を用いた繊維質固化処理土は,復旧のための地盤材料と成り得ることが確認された. 室内試験に加えて,繊維質固化処理土を屋外に設置し,自然環境下での耐久性も調査した.供試体を真砂土で覆い,屋外に静置して2ヶ月毎に供試体を取り出して破壊強度を計測した.その結果,繊維質固化処理土は自然環境下でも高い耐久性を示すことが分かった.
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