2019 Fiscal Year Research-status Report
Compatible between hydrogen absorption-desorption phenomena from nacreous aragonite and advanced organ transplantation medical care
Project/Area Number |
19K22047
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
斉藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (80250984)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 水素 / 吸蔵 / アラゴナイト |
Outline of Annual Research Achievements |
アコヤガイの貝殻は外側に稜柱層、内側に真珠層と2 層の構造を持つ。稜柱層では有機膜に覆われた柱状のカルサイトを、真珠層ではタンパク質ーアラゴナイト複合体構造を持つ。これまでに、アコヤガイ真珠層粉末から加熱処理及びアルカリ処理で、タンパク質が除去され、水素加圧後の水素放出量が増加することが明らかになっている。本研究では、加熱処理の前処置として水酸化ナトリウムを施し、窒素吸着法による細孔径分布測定を用いて細孔構造の解析を行った。 実験にはアコヤガイ貝殻を原料とした真珠層粉末を用いた。真珠層のタンパク質を除去する為、2.5 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を原料の入ったビーカーに注ぎ24 h反応させた。その後、蒸留水で無限希釈中和を行いろ過した。得られたろ物を電気炉を用いて300℃、400℃、500℃の各温度まで10℃/minで昇温し、各温度で5 h保持した。 原料及び300℃焼成ではアラゴナイトの存在を確認し、400℃焼成及び500℃焼成ではカルサイトに相変態していることが分かった。原料では1.4 nm、1.5 nmに細孔を確認することができ、300℃焼成ではそれらの細孔が発達していることが確認できた。400℃焼成、500℃焼成では0.7 nmから1.3 nmにかけて細孔が発達していた。細孔容積は原料と比較し300℃焼成で増加し、400℃焼成では減少し、500℃焼成ではさらに減少した。水素放出量及び残存水素量は300℃焼成、400℃焼成で増加し、500℃焼成では減少した。400℃焼成で水素放出量、残存水素量が最大となり500℃焼成で減少することから、400℃焼成で新たに形成し500℃焼成で減少した0.7 nmから1.3 nmの細孔が水素放出量に影響していると推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに実験が進み、気体した成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度にはいよいよ、100 MPa(1000気圧)を超える圧力で試料に水素を物理吸着させて、水素吸蔵特性を評価する。
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Causes of Carryover |
SARS-Cov-2感染によるCOVID-19予防のため、国内外の学会発表が取り消しになったため、旅費を使用しなかったため、当該助成金が生じた。翌年度には学会発表が国内外で開催されると思われ、そういった旅費に主に使用する予定である。
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