2020 Fiscal Year Annual Research Report
Compatible between hydrogen absorption-desorption phenomena from nacreous aragonite and advanced organ transplantation medical care
Project/Area Number |
19K22047
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
斉藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (80250984)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | アラゴナイト / 真珠層 / カルサイト / 水素 / 超高圧 / 移植医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
アコヤガイ由来の真珠層(タンパク質とアラゴナイト)を大気中にて熱処理した。 タンパク質を除去するのと同時に、アラゴナイトの結晶成長を得るため、大気中にて600℃まで熱処理した。水素を雰囲気とする比表面積測定ならびに12 MPaまでの水素吸着・吸蔵特性を得たところ、比表面積も水素吸着も量としては活性炭に比較して極めて低かった。 アラゴナイト―カルサイト変態はおおよそ400℃で起こる。この変態温度付近で得られた試料について水素雰囲気400 MPaでの超高圧処理を行った。超高圧水素処理したアラゴナイトは純水との分子交換により、大量の水素を水中に放出した。アラゴナイト超高圧水素吸蔵は存在すると言える。 研究成果の学術的意義や社会的意義は次の通りである。研究代表者は2002年に窒素含有炭素で水素吸蔵特性を得て以来、炭素系水素吸蔵材料で世界的な吸蔵量チャンピオンデータの中で戦ってきた。ところが先進移植医療分野では炭素よりむしろ炭酸カルシウム(カルサイトとアラゴナイト)の方が生体攻撃性が少なく、よりよい。また水中にて水との分子交換により水素を放出することが肝心だ。一般的な炭酸カルシウムであるカルサイトは水素を吸わない。ところがアラゴナイトを使うことでその課題がクリアできた。 本研究でアラゴナイトの熱処理を行うことでアラゴナイト・カルサイト混晶を得ることで、そこに400 MPaにおよぶ超高圧水素を加圧することで①長時間にわたり、②きめの細かな水素泡を十分な量にて③外部エネルギーを使用することなく供給できることになり、先進移植医療とのマッチングができるようになった。
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