2021 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of thermoplastic, remoldable, and mechanically-tough composite hydrogels
Project/Area Number |
19K22067
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀田 篤 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30407142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 成貴 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (50837333) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | ポリマー / 熱可逆性 / ダブルネットワーク / ハイドロゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高強度・高透明性・高含水性をあわせ持ち、何度でも再成形可能で熱可逆な環境配慮型ハイドロゲルを作ることを目的とした。昨年度、本研究グループはTEMPO酸化セルロースナノファイバー(tCNF)を用いたハイドロゲルを考案した。tCNFは表面のカルボキシ基と水酸基に由来する高親水性を有し、ナノスケールまで解繊することで高透明性材料の作製が可能な材料である。tCNFを分子間水素結合でゲルネットワークにし、高強度・高透明性・高含水性を併せ持つ可逆性ゲルを試作した。しかし、tCNF単体からなるハイドロゲルは、水素結合が弱いため容易に液状化するという問題が出た。そこで本研究では、tCNFと同様に水素結合を形成できるポリアクリル酸(PAA)に着目した。tCNFとPAAの混合物に対して、両者のカルボキシ基とイオン結合による物理架橋が形成できるエチレンジアミン(EDA)を架橋剤とすることで、2つのポリマーによるネットワーク構造形成を試みた。これにより高含水性を維持したまま、強度の向上を実現できた。 具体的には,tCNFとPAAのそれぞれについて0.5wt%水溶液を作製して等量ずつ混合した。これを冷凍庫(-23℃)で2日間静置したあと、EDA水溶液に1日間浸漬した。FT-IRを用いた化学構造解析により、tCNFとPAA、EDAとの間に働く水素結合が確認でき、三者間で網目構造が形成されていた。このゲルを凍結乾燥することで吸水剤を得た。この乾燥体は水中静置により膨潤し、乾燥状態よりも重量で174倍の吸水性を示した。また、動的粘弾性測定を通じてゲルの強度を解析した。ゲルの貯蔵弾性率は9.3 kPaとなり、tCNF単体のハイドロゲルの1.7 kPaに対して、5.5倍に向上した。以上より、本研究を通じて高強度・高透明性・高含水性を併せ持ち、再成形可能な環境配慮型ハイドロゲルの作製に成功した。
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Research Products
(6 results)