2019 Fiscal Year Research-status Report
Correlation between cations with anomalous coordination and the glass structure
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19K22072
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
正井 博和 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (10451543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 陽平 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (20531031)
小原 真司 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主幹研究員 (90360833)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | ガラス / 構造 / モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、種々の酸化物ガラスを対象として、詳細な構造解析と物性評価を行うことにより、酸化物ガラス中において、熱力学的に安定な結晶の配位数とは異なる、特異的な配位数を有するカチオンのガラス構造との相関を実証することを目的とする。研究のアプローチとしては、種々の方法を用いて作製した酸化物ガラスに対して、高エネルギーX線回折・中性子回折、非弾性光散乱を用いた構造解析、X線吸収微細構造(XAFS)、および、固体NMR測定を組み合わせることによって、ガラスネットワーク中におけるカチオンの局所構造に関する定量的な評価を試みる。 2019年度は、溶融急冷法を用いて作製した種々の2元系酸化物ガラス(主としてリン酸塩ガラス)に関して、SPring-8にてXAFSを低温で測定することによって、ガラス中のカチオンの局所配位状態の評価を実施した。XAFSのデータは、高エネルギーX線回折、中性子回折、及び、31P 固体NMRの結果と共に、逆モンテカルロ法を用いたガラス中の構造モデリングに必要な束縛条件として重要である。低温と常温でXAFS測定を実施した結果、カチオンの局所構造を示すEXAFS領域の振動の振幅に関して、結晶材料で確認できるような著しい強度の差異は認められなかった。また、複数の酸化物ガラスに関して、高エネルギー回折実験、および、中性子回折実験を実施した。一方、固体NMR測定により、それぞれのリン酸塩ユニットの存在比を決定した。これらのデータを基に、複数のガラス系に対して構造モデリングを行い、物性との相関を議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、種々の酸化物ガラスに対して、高エネルギーX線回折や、中性子回折といった量子ビームを用いた回折実験とXAFS測定によるカチオンの局所構造解析を実施した。低温でのXAFS実験により得られた結果については、論文執筆を進めている。また、同周期、あるいは、同族の元素に関して、カチオンの差異に依存した構造・物性について評価を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
20220年度は、コロナウイルスの収束が見えて、実験停止が解除された後に、2019年度と同様、放射光施設を用いたガラス中の構造解析を実施する予定である。一方で、高圧合成を含めて従来の溶融急冷法以外の手法でガラスを作製し、構造解析を実施する。
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Causes of Carryover |
当該助成金を旅費として使用し、2020年3月17日~20日の日程で日本セラミックス協会2020年年会へ出張を予定していたが、新型コロナウィルス感染の拡大の影響を受け、年会が中止となったため出張が取り消しとなったため、翌年度への繰越しとした。繰り越された助成金は2021年度分と併せて、新型コロナウィルスによる影響が収束した後の打ち合わせおよび学会出張に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)