2021 Fiscal Year Annual Research Report
ハイエントロピー合金ナノ粒子の新規創成とその触媒機能発現に関する研究
Project/Area Number |
19K22082
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 浩亮 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (90423087)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | ハイエントロピー合金ナノ粒子 / スピルオーバー / 金属触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では二酸化チタン(TiO2)上での水素スピルオーバーを還元駆動力とすることで、低温で還元電位の異なる5種類の金属元素が同時に還元しHEAナノ粒子が合成可能なことを見出した。また、HEAナノ粒子CO2水素化触媒として利用したところ極めて高い耐久性が発現することを見出した。 HAADF-STEM、EDXマッピング観察により平均粒子系1.9 nmで5種類の金属元素が粒子内に均一に分散している合金ナノ粒子が確認された。また、in situ XRD測定より合金ナノ粒子は単一の固相から成ることが判明した。さらに、in situ XAFS測定より、いずれの元素も金属状態で存在しているが、その金属-金属結合由来のピークは単一金属のものと異なり、HEAナノ粒子の生成が支持された。H2-TPR測定の結果よりTiO2上に担持した5種類の金属前駆体は170 ℃付近で同時かつ急速に還元した。このような急速還元は水素スピルオーバー能の高いTiO2上でのみ発現し、MgOやAl2O3担体では観測されない。 触媒活性評価として大気圧下400℃でのCO2水素化反応を行った。HEA/TiO2を触媒として用いた際には、Pd/TiO2を用いた際に比べて異なるCO2転化率やCH4選択性が得られた。これはナノ粒子のHEA化によって表面状態が変化し、中間体であるCOの吸着力に変化が生じたためである。また、Pd/TiO2は時間経過とともに触媒活性が大きく低下したのに対して、HEA/TiO2では72時間後もほぼ初期活性を維持し高い耐久性が示された。さらにin situ TEMにより電子線照射によるknock-onダメージに対しても安定であることが見出された。
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Research Products
(9 results)