2019 Fiscal Year Research-status Report
触診型テラヘルツグローブの創出と新規低侵襲検査応用
Project/Area Number |
19K22099
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河野 行雄 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (90334250)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | テラヘルツ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、電波と光の中間に位置するテラヘルツ(THz)波による可視化技術を用いた検査分析が着目されている。THz波は高い透過率と解像度を併せ持ち、有機物の指紋スペクトルを有することから、食料品や医薬品の非破壊品質検査等の応用が期待されている。一般的な平面型カメラは2次元平面上の画像を得ることに適している。しかしながら,現実的な測定対象は3次元的な曲面形状を持つことが多いものの、3次元曲面形状の撮像に向けては、測定系の大規模化・煩雑化や,測定対象の制限,測定時間の増加などの課題がある。 以上を背景として、本研究では、任意の形状の測定対象を,所望の場所で簡便に検査することができる、人の指や手に装着可能な“触診型THz検査グローブ”の創出を目的とする。これにより、今までネックであった測定対象の制限や大規模な測定系を必要としない検査応用の実現が期待できる。 当該年度では、やわらかさを有するTHzセンサの開発を行った。電極、センシング材料、基板すべてをフレキシブル素材にし、センサを作製した。作製したデバイスの電流-電圧特性とTHz応答特性の測定結果より、フレキシブル素材の使用による性能劣化がないことを確認した。また、グローブにTHzセンサを装着した形での使用を想定した反復引張試験や圧縮試験を通して、このデバイスの耐久性を示すことができた。以上から、触診型THzグローブに向けた基礎特性を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標は、検査グローブに適したセンサの各種材料検討であったが、その前提となるのが適度なやわらかさである。その開発は達成されたため、研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、応用に向けた取り組みを行い、用途に応じてセンサ研究に立ち返りながらその知見をフィードバックする。
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