2020 Fiscal Year Annual Research Report
Nano-scale and real-time fluorescence imaging of metal-corrosion reaction dynamics
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19K22118
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
森本 正和 立教大学, 理学部, 教授 (70447126)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 金属材料 / 腐食 / 蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、金属腐食反応のダイナミクスをナノメートルスケールの空間分解能でリアルタイムにイメージングする新手法を創出することを目指した。本年度は、微小領域における金属腐食反応を可視化するためのプローブとなり得る、化学種に応答する光スイッチ型蛍光分子の高分子固体中における光応答挙動について検討した。 昨年度の研究において、化学種に応答する部位としてアミノ基を有する蛍光性フォトクロミック分子を合成し、その分子が水素イオンに応答して光スイッチ機能を変化させることを見出した。この分子の蛍光プローブとしての有用性を評価するために、高分子固体中での光応答挙動を検討した。ポリスチレンもしくはフルオロアルキルスルホン酸系高分子を有機溶媒に溶解させた溶液へ蛍光性フォトクロミック分子を添加し、その溶液を用いたスピンコート法により高分子薄膜を調整した。これらの高分子薄膜に対して紫外光を照射すると、膜中のフォトクロミック分子が異性化反応を起こし、光生成した異性体による蛍光が観測された。ポリスチレン膜は赤色の蛍光を示すのに対して、フルオロアルキルスルホン酸系高分子膜は緑色の蛍光を示した。これは、ポリスチレン中ではフォトクロミック分子のアミノ基のドナー性のために電荷移動型の長波長蛍光が観測されたのに対して、フルオロアルキルスルホン酸系高分子中では高分子のスルホン酸基から発生する水素イオンがアミノ基に結合することで電荷移動型の光学遷移が消失し、短波長蛍光が観測されたと考えられる。このように環境中の水素イオンと結合することで蛍光特性を著しく変化させる分子は、金属表面での腐食過程における水素イオン濃度を可視化するプローブとして機能する可能性がある。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Photoinduced swing of a diarylethene thin broad sword shaped crystal: a study on the detailed mechanism2020
Author(s)
Ayako Fujimoto, Noriko Fujinaga, Ryo Nishimura, Eri Hatano, Luna Kono, Akira Nagai, Akiko Sekine, Yohei Hattori, Yuko Kojima, Nobuhiro Yasuda, Masakazu Morimoto, Satoshi Yokojima, Shinichiro Nakamura, Ben L. Feringa, Kingo Uchida
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Journal Title
Chemical Science
Volume: 11
Pages: 12307-12315
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Optical microresonator arrays of fluorescence-switchable diarylethenes with unreplicable spectral fingerprints2020
Author(s)
Daichi Okada, Zhan-Hong Lin, Jer-Shing Huang, Osamu Oki, Masakazu Morimoto, Xuying Liu, Takeo Minari, Satoshi Ishii, Tadaaki Nagao, Masahiro Irie, Yohei Yamamoto
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Journal Title
Materials Horizon
Volume: 7
Pages: 1801-1808
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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