2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K22127
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹延 大志 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70343035)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | オプト・イオントロニクス / 発光素子 / 受光素子 / 電解質ドーピング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、電解質を用いたキャリアドーピングを基盤とした『オプト・イオントロニクス』の実現を目指す。本研究目的を効果的に達成する上で、最も重要な戦略的要素は以下の4点からなる。 Ⅰ 発光材料を用いた電解質トランジスタの作製:様々な発光材料(有機材料・量子閉じ込め材料(原子層材料)・Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体・Ⅱ-Ⅵ族化合物半導体)に対する電解質ドーピングの有効性をトランジスタ構造により解明。今年度は、昨年度に引き続き有機材料、原子層材料で大きな成果を得た。特に、歪ませた原子層材料を用いて、室温において電場による切り替えが可能な円偏光発光素子を実現した。 Ⅱ 電解質を用いたPN接合・トンネル接合の実現と受光・発光特性評価:電解質ドーピングによるPN接合・トンネル接合作製を新提案の素子構造で試みる。具体的には、電流電圧特性や発光特性を評価する。今年度は、昨年度に引き続き有機材料、原子層材料で大きな成果を得た。特に、歪ませた原子層材料を用いて、バルク光起電力効果の観測に成功した。 Ⅲ 微細加工技術を用いたレーザー素子(LD)の挑戦:電解質は高密度ドーピングが可能でありLDに不可欠な大電流の実現に適している。本特徴を最大限に活かすべく、共振器構造と本技術の融合によりLDを作製する。今年度はグレーティング構造を有する有機発光素子へのパルス電圧を用いた大電流注入と、素子冷却を行い、レーザー発振を期待させる結果を得た。 IV 応用における液体使用に起因する困難・問題点並びに,デバイス動作上の問題等:液体使用は実応用において液だれ・液漏れ等の困難・問題点が起こり得る。本問題を解決する新たな方法として、高分子材料においては、イオン液体を用いたドープ後に、イオン液体を除去しても、ドープ状態が維持されることを見出した。
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