2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of shear-wave picosecond ultrasonics using hotelectrons in a nanowire
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19K22128
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長久保 白 大阪大学, 工学研究科, 助教 (70751113)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 超音波 / ポンププローブ法 / ナノワイヤ / 横波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は横波ピコ秒超音波法計測のために異なる基板上に新たなナノワイヤを作製し、磁場化・無磁場下において計測を行った。使用した基板は熱酸化膜付きのSi(100)およびSrTiO3(100)基板である。これらの基板上にスピンコート、電子線ビームリソグラフィ、現像プロセスを経て幅100, 500 nmの細線・細線群パターンを作製した。その後スパッタリング法により3 nmのCrと27 nmのAu薄膜を作製し、リフトオフによってAuナノワイヤを作製した。これらの試料はそれぞれ幅100または500 nmの3本線または単線のナノワイヤが幅1.2 μmの八角形パッド部に接合した構造を有する。また過渡応答における電子挙動の調査のため、パッド部とナノワイヤ部の間に幅100-500 nmのギャップを有する構造の試料も作製した。ナノワイヤの長さは1500-3000 nmである。 作製したこのような試料に対してフェムト秒パルスレーザを用いたポンププローブ法による計測を行った。まずパッド部にポンプ光・プローブ光を照射すると基板中を伝播する縦波超音波による応答の検出に成功した。これは幅1.2 μmのパッド部でポンプ光が吸収されホットエレクトロンおよび高周波フォノンが励起されていることを保証する。続けてポンプ光をパッド部に照射したままプローブ光をもう片端のパッド部やワイヤ上に照射した。この際、ナノワイヤとパッド部の間にギャップを有さない試料の場合はポンプ光照射時の過渡応答を検出することに成功し、これはポンプ光による過渡応答がワイヤ長さ方向に高速で伝播・拡散していることを示す。更に垂直方向に磁場を印可しプローブ光を射角入射すると縦波超音波の0.6倍程度の周波数の応答が現れた。これは横波による応答である可能性を示唆している。
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