2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of High-Throughput Micro-LED Fabrication Process Utilizing Crystallographic Orientation Modulated Templates
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19K22145
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片山 竜二 大阪大学, 工学研究科, 教授 (40343115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上向井 正裕 大阪大学, 工学研究科, 助教 (80362672)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | μLED / 結晶面方位 / MOVPE / パルススパッタ / パルスレーザ堆積 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、一画素分のLEDチップを一つずつ並べて実装するという現状の極めて高価なマイクロ(μ)LEDパネルの製造コストを劇的に低減する結晶工学的技術の開発を目的とする。表面活性化ウエハ接合技術を用い、三種の異なる結晶面方位・面積の微小ドメインを周期的に並べた結晶面方位変調GaNテンプレートを作製し、この上にInGaN量子井戸発光層を成長する。その際、結晶中へのIn原子の取り込み効率や分極電界が成長面方位により顕著に異なるという性状を利用することで、赤緑青三色のμLEDの集合体の高スループットプロセスを実証する。本研究で得られる、結晶面方位の異なる薄膜の積層技術とこれを用いて作製する結晶面方位変調テンプレートは、現状のエピタキシャル成長技術では実現し得ない新規構造のデバイス実現への道を拓く、結晶工学分野における革新的なツールとなる。つまり、本研究で提案する技術開発は、窒化物半導体材料やμLEDのみならず、縦型パワートランジスタ、垂直共振器型レーザなど、全ての集積型デバイス・システム開発の突破口となりうるため、これを挑戦的研究として遂行することは大きな意義がある。 これまでの実績として、下記の進捗状況にて述べるように、まず上記のデバイス応用に際して共通のコア技術となる、結晶面方位の異なるGaN薄膜の積層技術の開発として、GaN薄膜同士の表面活性化接合条件の最適化、界面の微視的構造特性の解明などの成果が得られており、当初計画以上の成果が得られたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
表面活性化接合は、試料表面にArビームを照射することで表面層を除去し、活性状態となった1組の面を重ね合わせて加熱、圧力印加を行うことで接合する技術である。 2019年度はまず、GaN試料の接合強度を定量的に求め、強度が最大となる接合条件を探索した。+c面GaN基板同士を接合させ、Arビーム照射時間を変化させた。接合後の試料の引張試験により接合強度を最適化した。Arビーム照射時間と接合強度の関係より、照射時間の増加に伴い接合強度は次第に増加し、その後次第に減少することが分かった。この傾向は、Arビームの照射によって表面不純物層が除去され接合強度が次第に増加するが、過剰にArビームを照射すると表面状態が悪化し接合強度が減少していくためと考えられる。またArビーム照射時間が350 sのとき、接合強度は最大の13.5 MPaを示した。この接合条件で22 mm角のSi基板上GaNとSapphire基板上GaNを接合させたところ、一部の領域で異物が界面に見られるものの、大面積の試料同士の接合に成功した。 続いて、Arビーム照射によってGaN表面の状態がどのように変化するか調査した。AFMを用いて試料表面形状を測定すると、Arビームを照射した試料表面に原子配列の秩序の乱れが見られた。次に、RHEEDを用いて試料表面の結晶状態を評価するとArビームを照射した試料ではハローパターンを観測した。以上から、Arビーム照射によってGaN表面のごく薄い領域がアモルファスに変化し、その際の秩序の乱れの度合いの違いにより、接合強度が変化すると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、同一基板上に異なる発光色を有するInGaN LEDの作製を目指す。まず表面活性化接合により面方位を変調したGaN薄膜をGaN基板に接合後、薄膜側の基板を薬液等で除去し、接合したGaN薄膜の裏面を露出させる。この上に更に面方位が異なるGaN薄膜を接合後、同様に薄膜側の基板を除去することで、三種の面方位が積層した構造を作製する。次にドライエッチングにより部分的に掘り込み、面内に三種の面方位のGaNが露出したテンプレートを形成する。これと並行して、面内で単一の面方位を有するGaNテンプレートを下地層として用いて、In取り込み効率の面方位依存性を調査する。その際、フォトルミネッセンス測定や蛍光顕微鏡観察により発光色やその面内分布を評価する。最後にこれらの結果を組み合わせ、面内に三種の面方位のGaNが露出したテンプレートの上にInGaNを成長させ、In取り込み効率の面方位依存性を利用することで、面内で組成を変調したLED構造を作製する。また接合界面の電気特性や発光特性を調べ、LEDの動作特性への影響を明らかにする。
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Causes of Carryover |
理由:新型コロナウイルス感染拡大に伴う活動指針を踏まえて学会・研究会が延期となり、出張がキャンセルとなったため。 使用計画:延期となった学会・研究会へ参加するとともに、余剰の見込みの場合はデバイス作製にかかる消耗品の購入に充てる。
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[Presentation] Raman Scattering Evaluation of Strain Evolution During Surface-Activated Bonding of GaN and Removal of Si Substrate2019
Author(s)
R. Tanabe, N. Yokoyama, M. Uemukai, T. Hikosaka, S. Nunoue, K. Shojiki, H. Miyake, M. Kushimoto, H. Cheong, Y. Honda, H. Amano and R. Katayama
Organizer
第38回 電子材料シンポジウム EMS38
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[Presentation] Raman Scattering Investigation of Strain Evolution during Surface-Activated Bonding of GaN and Removal of Si Substrate2019
Author(s)
R. Tanabe, T. Onodera, M. Uemukai, T. Hikosaka, S. Nunoue, K. Shojiki, H. Miyake, M. Kushimoto, H.J. Cheong, Y. Honda, H. Amano and R. Katayama
Organizer
第7回 発光素子とその産業応用に関する国際学会 LEDIA'19
Int'l Joint Research