2019 Fiscal Year Research-status Report
DESI・冷却イオン分光によるコンフォメーションイメージング法の確立
Project/Area Number |
19K22163
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石内 俊一 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40338257)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | コンフォメーション解析 / 質量分光イメージング / DESI / イオントラップ分光 / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)顕微鏡システムの導入とスキャンステージの構築 脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)質量分析装置と組み合わせるためのPC制御可能な実体顕微鏡システムを導入し、PC制御できる様にした。これにPC制御可能なスキャンステージを導入し、質量分析に合わせて試料位置をスキャンするプログラムを作成し、質量イメージングするためのシステムを構築した。
2)エレクトロスプレーイオン源の改造 既存のエレクトロスプレーイオン化(ESI)装置のイオン源を、DESIで生成したイオンの取り込みを可能にする様に改造を施した。具体的には、イオンを真空に導入するためのガラスキャピラリーの入口にイオン取り込みチューブを取り付け、DESI用スプレーノズルの近傍のイオンを吸い込める様にした。加えて、試料プレートから生じるイオンを、イオン取り込みチューブの方に押し出す様に、試料プレートに負の高電圧を印可できる様にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り顕微鏡システムを導入し、データ収録システムから制御するためのプログラムの開発が完了した。また、合わせて試料位置をスキャンするためのステージ制御プログラムの開発も完了した。加えて、既存の冷却イオントラップ質量分光装置を改造し、DESIで生成したイオンを取り込める様にした。
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Strategy for Future Research Activity |
1)試料基板の作成とDESI信号の確認 金属板、あるいはガラス板に、適当な方法を用いて、チロシンなどの分光情報が既知の試料を塗布し、試料基板を作成する。これを19年度に製作した装置に設置し、DESIによるイオン信号を確認する。加えて、検出されたイオンを冷却イオントラップに導入し、紫外または赤外光解離分光法を用いて分光測定を行う。
2)不均一試料に対するコンフォメーション分布イメージング 1)で用いた試料を人為的にpHや温度などを不均一化し、DESI分光測定を行い、コンフォメーションごとの2次元マッッピングを行う。
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Causes of Carryover |
DESIスプレイヤーを既存の装置のESIスプレイヤーで代用したため、その製作費用を削減できたためであるが、20年度に専用のスプレイヤーを製作する予定であるため、この費用を20年度に繰り越すこととした。
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Research Products
(12 results)