2021 Fiscal Year Annual Research Report
Structural Design of Supramolecular Conjugated Molecules with High Charge Transport Ability
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19K22179
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
寺尾 潤 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00322173)
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| Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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| Keywords | シクロデキストリン / ロタキサン / 機能性共役分子 / 共役分子 / 金属サレン錯体 / サイクリックボルタンメトリー |
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| Outline of Annual Research Achievements |
ジチオベンゾエート配位子は様々な遷移金属と2:1錯体を形成可能であることが知られている。この錯体は分子鎖が直線的に伸長しており分子全体に広がった分子軌道を形成する。従って、配位子の共役系拡張により新奇電子物性の発現が期待されるが、そのような試みはその化学的不安定性からほとんど行われて来なかった。一方当研究グループではこれまで、有機溶媒に可溶な環状分子である完全メチル化シクロデキストリン(PMCD)を用いて共役鎖を被覆可能であることを報告している。その結果として、不安定な励起種の安定化による優れた導電性・光学特性の発現に成功している。そこで本研究では、PMCDを用いたロタキサン構造により全体が三次元的に被覆された金属ビスジチオベンゾエート錯体を合成し、その物性を評価するとともに被覆による錯体の安定化効果を調査することとした。その結果、被覆によって錯体の選択的合成と速度論的安定化が可能であることが明らかになった。また、金属サレン錯体は，発光材料，エレクトロクロミック材料などへの応用が期待される錯体である。我々ではこれまで，完全メチル化シクロデキストリン（PMCD）を用いた三次元的な被覆によって遷移金属錯体の機能や安定性を向上可能であることを報告してきた。そこで本研究では，金属サレン錯体の光学特性や安定性の向上を目的として，二つのPMCDによって被覆されたNi(II)サレン錯体1を合成し，その物性に対する被覆効果を評価した。合成した被覆体，及び，非被覆体の酸化還元特性をサイクリックボルタンメトリーによって調査した。その結果，非被覆体では不可逆な酸化波のみが観測された一方で，被覆体では可逆な酸化還元波が観測され，三次元的な被覆によって錯体の酸化種が速度論的に安定化されていることが分かった。
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