2020 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of Organic Semiconductors with Improving Carrier Mobility by Mechanical Stimuli
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19K22181
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松尾 豊 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00334243)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | メカノクロミズム / クロミック分子 / 平衡定数 / 熱力学的パラメータ / ナノインデンター / 含浸 / 押圧 / 原子力間顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間に以下のことを達成した.1)圧力測定デバイスに用いる最適な分子を合成し,国際的な一流誌に研究成果を報告することができた(Communications Chemistry 2020, 3, 93.).この論文では,この類の混み合ったアルケンをもつ分子では初めてとなる平衡と熱力学についての詳細を議論することができた.長年,色の変化には2つの状態の平衡があることが知られ,それが鍵となっていることがわかっていたが,具体的に平衡定数や熱力学的パラメータを決めた論文がなかった.今回,我々が初めてそれに成功した.これは,色の変化が追いやすい,最適化された分子があったから,その成功にたどり着けたと考えている.2)折れ曲がり型をより安定にした分子設計により元の色に戻しやすくした(可逆性を高めた)分子について,物質特許を大学から出願した(特願2020-089914,出願日:2020年5月22日).3)ナノインデンターとフォトコンダクティブAFM(pc-AFM, 光起電力をみる原子力間顕微鏡)を用いて,押圧により変わる電位差の変化をみることにより,圧力の数値を知ることが可能になった.力を加えた部分は折れ曲がり型の配座からねじれ型の配座へ変わり,電荷移動度が向上するので,pc-AFMで検知が可能になった.また,分解能は2マイクロメートル以上と非常に高いことがわかった.4)国内材料メーカーにおいて大量合成を行うことにも成功した.5)国内生地メーカーと協働し,この分子を含浸させる最適な生地を選定した.
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Research Products
(3 results)