2020 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal and development of novel mechanical bonds
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19K22183
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
瀬川 泰知 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 准教授 (60570794)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 分子トポロジー / メカニカル結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、カテナン、ロタキサン、ノットのいずれにも属さない新たなトポロジーをもった分子の創製を目的としている。カテナンやロタキサンは1960年代、分子ノットは1980年代に合成されているが、これに代わる新たな分子トポロジーを理論的に発見したことから、これを実験的に実証するための研究を行っている。まずは合成が比較的容易でかつ当該分子トポロジーをもつ分子を列挙し、量子化学計算によって分子としての性質を詳細に明らかにする。その後、さらに絞られた候補に対して実際の有機合成を行い、熱力学的・速度論的な検証、構造解析などの手段によって実験的実証とする。 昨年度に行った量子化学計算による性質予測結果をもとに合成経路を策定し、1,10-フェナントロリンを出発物質に用いた方法を採用した。フェナントロリンはビフェニルと比較して回転自由度がなく剛直であることから、分子トポロジーとしてより安定であることが期待できる。フェナントロリンに対して1,4-ジヨードベンゼンのモノリチオ体を作用させて4-ヨードフェニル基を2つもつフェナントロリンを合成した。これに対して様々な剛直で嵩高い置換基を導入した。導入反応はパラジウムを用いたカップリング反応を採用したため、カテナンやロタキサンのような大環状構造を合成する段階を原理的に回避することができる。一方で嵩高い置換基をカップリングによって導入するのは難しく、配位子や反応条件を精査する必要があった。目的とする分子を合成し、構造解析を行った。
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Research Products
(15 results)