2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of Novel Catalysis using LASER bonding technique
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19K22187
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
櫻井 英博 大阪大学, 工学研究科, 教授 (00262147)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | レーザー接合 / レーザーアブレーション / 金属微粒子触媒 / 有機合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「サブナノ秒の狭線幅ジャイアントパルス光の特性を生かし、金属と担体との界面に、通常では生成し得ない活性種を発生させ、それを用いた新規触媒反応の開発を目指す」ものである。具体的には、レーザー接合により貴金属と担体との界面に生じる、低原子価卑金属(0価あるいは1価)を活性中心とする反応開発、および液相レーザーアブレーション技術を用いた、高活性金属ナノ粒子触媒の生成を検討する。 レーザー接合技術に関しては、今季は照射条件の確立を目指し、装置開発を行った。その結果、サンプルの物理的破壊を伴うことなく、均一に触媒表面にレーザー照射する条件を確立した。貴金属ナノ粒子を担持した触媒に対するレーザー照射においては、Pd:NiOをターゲットにした時、Pdの顕著なシンタリングと粒子成長が観測され、残念ながら、当初の狙いとしていた界面でのNi(I)種のような活性種の観測には成功しなかった。 一方、レーザーアブレーションに関しては、サブナノ秒レーザーの特徴である、低エネルギー状態でのアブレーション条件を用いることで、これまで困難だった高温領域での有機溶媒中でのアブレーションを実現した。はじめにポリビニルピロリドン(PVP)を高分子保護剤とした系でサイズ制御に関して検討を行い、2-5 nm領域でのサイズ制御が可能であることを見出した。次に、これまで調製が難しかった、均一分散したポリスチレン保護金属ナノ粒子の調整を試みたところ、様々な有機溶媒中で、かつ完全に均一系の状態で粒子サイズ制御しつつ調製することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の2つの重要なテーマである、レーザー接合技術、およびレーザーアブレーションのうち、前者に関しては大きな成果はまだ得られていないが、後者に関しては、今後につながる重要な知見が行く使えられて降り、想定以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
レーザ接合技術に関しては、技術的に困難な問題点が見つかってきていることに加え、実験を担当してきた大学院生が卒業し、技術の伝承に時間がかかることが想定される。そこで、令和2年度に関しては、もう一つのテーマであるレーザーアブレーションを中心に検討をおこなう。特に、サブナノ秒レーザー特有のメリットである、高温領域での有機溶媒を用いたアブレーションプロセスを生かし、相転移によるモノリス生成と組み合わせ、高効率流通系触媒の調製法の確立に挑戦する。
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Causes of Carryover |
3月に予定していたいくつかの実験が、新型コロナウイルス関連で中止、および資料の納品が困難となったため、次年度に延期することにした。したがって、当該研究は、新型コロナウイルスによる行動制限が解除され、実施が可能となった段階で再開する予定である。
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