2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K22198
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
今岡 享稔 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (80398635)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 金属クラスター / ペプチド / 自動合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に則り、固相合成法により得られるペプチドを鋳型とした金属クラスター精密合成のコンセプト実証を行うため、12原子の白金クラスター合成に挑戦した。合成に用いる担体(resin)、縮合剤、反応条件、縮合させる金属錯体の構造、担体(resin)からの切り出し条件、クラスターへの変換を行う反応条件など多数のパラメータを逐一最適化し、最終的に12原子の白金クラスターを高精度で担体(Ketjenblack)上に得ることができた。得られたクラスターは原子分解能のHAADF-STEMで明確に原子数が規定されていることも確認された。 さらに加え、次年度の課題にも先行して着手し、得られたクラスターが酸化触媒として活性を有すること、PtのみならずIrのような異種元素を含むクラスター合成にも適用可能であることを予備実験により確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、ペプチドの固相合成法を用いたクラスターの精密合成という原理実証は完了したことから当初計画は達成したと判断される。さらに次年度の課題である自動合成、触媒特性の評価という点にまで展開を開始しており、計画を先行している。
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Strategy for Future Research Activity |
自動合成法を応用し多品種の連続自動合成を実現するため、シート上に合成したペプチドアレイを鋳型としたクラスターの合成に着手する。こうしてられた触媒を一括して触媒特性評価することによる触媒の高速探索への道を追求する。
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Causes of Carryover |
当初、自動合成の設備導入を含めた研究計画を策定していたが、東京工業大学物質理工学院の大河内教授との共同研究を推進、設備を使用させていただくことで、計画よりも早く実験に着手することができた。 発生した残額を利用し、2020年度に新たにペプチドアレイを用いた触媒の高速スクリーニングの計画を策定している。当初計画にはなかった実際の触媒探索まで展開するなど、計画を上回る成果が得られると期待される。
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