2020 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge to Environmental Chemistry based on Bioinorganic Chemistry
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19K22204
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久枝 良雄 九州大学, 工学研究院, 教授 (70150498)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | ビタミンB12誘導体 / 酸化チタン / 有機ハロゲン化物 / 可視光応答 / 光反応 / ハイブリッド触媒 / 生体関連金属錯体 / 環境浄化触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体関連金属錯体の化学を基礎として、環境汚染物質や毒物を安全に分解できる手法の提案を行い、環境化学の新分野を開拓する目的で本研究を行った。生物無機化学を基礎として、酵素反応のモデル化のみに囚われず、人類の生活に役立つ環境化学への展開に挑戦することが本研究の目的である。 具体的には、「環境汚染物質(有機ハロゲン化物)の安全な分解、有用物質への変換法の提案」を実施した。1年目は、酸化チタンとビタミンB12誘導体の組合せにより、光により活性化するハイブリッド触媒系の開発に成功した。そこで2年目は、より効率の高いハイブリッド触媒の開発と有機ハロゲン系環境汚染物質の安全な分解反応に挑戦した。その結果、可視光で活性化し、有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応が効率良く進行することを見出した。1つは酸化チタンに金属を担持し、可視光で活性化する酸化チタンービタミンB12誘導体のハイブリッド触媒系の開発に成功した。また、2つ目は可視光応答光増感部位を導入したビタミンB12誘導体の合成にも成功した。 2年間にわたり、単なる分解ではなく、環境汚染物質から有用物質への変換に挑戦した。有機塩素化合物から有用なエステル類やアミド化合物への変換反応を見出し、新たな環境浄化触媒の領域を創成する端緒を拓いた。具体的には、トリハロメタン類を脱ハロゲン化し、酸素存在下では酸塩化物が生成する。この系にアルコールが存在すると相当するエステル誘導体が、アミン類が存在すると相当するアミド化合物が生成することを見出した。また、アシルアジド化合物への変換にも成功した。
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Research Products
(10 results)