2019 Fiscal Year Research-status Report
Creation of inorganic composite nanocatalysts to realize electrochemical amino acid synthesis
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19K22205
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山内 美穂 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 教授 (10372749)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | アミノ酸 / TiO2 / アナターゼ / 電気化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生可能エネルギー由来の電気エネルギーを使ってアミノ酸を合成するための複合無機ナノ触媒の創製と電気化学反応システムの構築を行うことを目的とする。 本年度は、アミノ酸合成電極となる様々な複合酸化物の合成を行なった。既報を参考にして、ゾルゲル法を用いてTiO2、ホウ素ドープTiO2、NドープTiO2、AlドープTiO2、B-NドープTiO2、Al-NドープTiO2、B-AlドープTiO2、B-N-AlドープTiO2の合成を行った。XRDパターンの測定により合成した試料の回折ピークはアナターゼ型のTiO2の回折ピークと同様の位置に観測されたことから、いずれの試料も結晶構造はアナターゼ型であることがわかった。B-N-AlドープTiO2は10 °から20 °と20 °から35 °にブロードなハローピークが観測された。このことから、B-N-Alドープ酸化チタンはアモルファス成分が多く存在していることが明らかとなった。SEM-EDS測定の結果、いずれの試料においても窒素が検出されなかったことから、試料には窒素はドープができていないと考えられる。一方でホウ素とアルミニウムはドープを行ったTiO2から検出がされたため、ホウ素とアルミニウムドープをしたTiO2が合成できていると考えられる。 次にアナターゼTiO2を使ったアミノ酸合成に挑戦した。窒素源としてアンモニアを用い、TiO2電極上でアミノ酸合成を行なったところ、アミノ酸合成のFaradaic効率は20%以下と低いものであった。次に、別の窒素源を用いて実験を行なったところ、TiO2上でアミノ酸が効率よく生成することが明らかとなった。今後、多様な複合酸化物を使ったアミノ酸合成を行うつもりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、アンモニアを用いて純粋なTiO2上でアミノ酸合成を行なった場合、アミノ酸を効率よく作製することができなかったが、水酸化アミンを利用することでアミノ酸が効率よくできることが明らかとなった。今後、複合酸化物を使ったアミノ酸合成に挑戦する。
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Strategy for Future Research Activity |
NO3-イオンを電気化学的にNH3に変換する電極触媒を作製する。酸化物の還元力は、アナターゼTiO2の伝導帯の底のエネルギー位置により規定される。NO3-イオンがCuPd/TiO2上で電気化学的にNH3へ変換されない場合は、TiO2にZrを混合して伝導帯の下端の位置を上昇させることで、NO3-イオンのNに電子が供与されやすい状況を作り出す(ZrO2の伝導帯の底は高い位置にあるため)。さらに、pH値を調整してプロトン付加の速度を増大させることで効率良くNH3を生成することができる。
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Research Products
(12 results)