2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K22219
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井原 栄治 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (90243592)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | ジアゾ酢酸エステル / ポリ(置換メチレン) / マルチブロックポリマー / 末端官能基化 / パラジウム錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、連鎖移動反応を利用して、ポリ(置換メチレン)の末端に炭素―塩素結合を定量的に導入することに成功した。しかしながら、その炭素―塩素結合への求核置換反応によるアジド基の導入は効率良く進行しなかった。そこで方針を変更し、ポリマー末端への水酸基の導入と、その変換を試みることとした。水酸基の導入手法として、水を連鎖移動剤とする開始末端への導入と、THFの開環を伴う停止反応による停止末端への導入という2種の手法を試みた。両手法共に、その生成物の末端への水酸基の定量的な導入がMALDI-TOF-MSによる分析で確認できた。特に後者の手法では、ピリジンを配位させた塩化アリルパラジウム錯体が開始剤として有効であることを見出したが、この手法では生成物の分子量の制御も可能となった。 塩化アリルパラジウム錯体を用いて合成したポリ(置換メチレン)の末端の水酸基に対して、ブロモアセチルブロミド、アジ化ナトリウムを順次反応させることによるポリマー末端へのアジド基の導入を試みた。ヘキサノールを用いたモデル反応を行い、アジド基の導入が定量的に進行する条件を確認した。その条件でのポリマー末端へのアジド基の導入を試みたところ、効率良く進行しなかった。その理由は不明であるが、今後は用いる溶媒や反応温度等の条件を最適化することによるアジド基の導入を試みる予定である。 また、合成に成功した水酸基を末端に有するポリ(置換メチレン)の、水酸基を開始剤とするラクチドの開環重合を試みたところ、一部の末端水酸基から開環重合が開始していることが確認できた。この手法によるブロック共重合体の合成手法の確立を今後検討する予定である。 さらには、アルコールを連鎖移動剤として用いて、ピレンとフルオレンをそれぞれエステル部に有するジアゾ酢酸エステルから、構造の明確なオリゴマーを効率良く合成する条件の確立に成功した。
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Research Products
(6 results)