2019 Fiscal Year Research-status Report
蓄熱工学を基盤としたナノ・マイクロスケールの触媒反応熱制御技術の創成
Project/Area Number |
19K22224
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
能村 貴宏 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (50714523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國貞 雄治 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00591075)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 触媒 / 蓄熱 / マイクロカプセル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では申請者が先駆的に確立しつつある中高温潜熱蓄熱マイクロカプセル化技術を基盤として、ナノ・マイクロスケールの反応熱制御工学の創成を目指す。その先駆けとして触媒/担体/蓄熱材(=ヒートレシーバー/ドナー)がマイクロスケールで一体化した反応熱制御デバイスを創出し、第一原理計算によるナノスケールの触媒近傍の熱散逸・発生機構推定を通して、触媒の選択性・耐久性を最大限に発現可能なデバイス構造を達成することを目的とする。 本年度は特に、潜熱蓄熱蓄熱マイクロカプセル上への触媒担持法の確立を中心的に検討した。ディップ法、含浸法、ゾルゲル法、共沈法などの代表的な手法や、マイクロカプセル製造法として提案されているオリフィス法を応用したマイクロカプセルへの触媒担持に特化した新たな手法を検討した。マイクロカプセル上へ触媒を担持した報告例は少ないこと、マイクロカプセルのシェルは薄膜のためできる限りシェルの破損がなく担持する必要があること、担持処理後、煆焼後、すべての工程においてマイクロカプセルが分散している状態を保つ必要があること、などマイクロカプセル特有の様々な課題に直面した。数多くの試行の結果、NiやAgなどの金属触媒や、Ni/CaO-ZrO2触媒などを均一にマイクロカプセル表面上に担持することに成功した。 マイクロカプセル作製条件を検討することで、従来比5倍以上の高比表面積を有する、触媒担体に適した蓄熱マイクロカプセルの合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であった触媒担持法の確立とともに、次年度の実施事項であるシェルの形態制御・改質法の確立にも一定の目途がたったため。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した触媒化潜熱蓄熱マイクロカプセルによる触媒熱制御実験を実施し、マクロスケールでの熱制御効果を評価する。特に、顕著な熱制御効果が期待できる発熱反応系を主なターゲットとして実施する。サーモリフレクタンス法など、マイクロスケールの計測技術の実験系へ導入し、マイクロスケールの熱移動現象を評価する。また、極微小スケールでの触媒反応と熱分散シミュレーションの結果をもとに、マイクロカプセル上への触媒の担持量、分散性を再検討する。
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Research Products
(4 results)