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2019 Fiscal Year Research-status Report

Development of fluorobarcode that can detect multiple biomolecules simultaneously

Research Project

Project/Area Number 19K22250
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

樫田 啓  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (30452189)

Project Period (FY) 2019-06-28 – 2021-03-31
Keywords人工核酸 / 蛍光バーコード / 抗体
Outline of Annual Research Achievements

本研究では核酸の鎖交換反応を利用することによって、多数の生体分子を同時にイメージング可能な技術の開発を目指している。本年度は人工核酸を利用した蛍光バーコードの開発について主として検討を行った。
まず、我々が開発した人工核酸であるトレオニノール核酸(D-aTNA)を利用した蛍光バーコードを合成し、機能評価を行った。その結果、DNAを利用した系と比較してバックグラウンド発光が低下し、より高感度な検出が可能であることが分かった。また、D-aTNAは天然核酸と二重鎖形成しないため、細胞内夾雑物の影響を低減することも可能である。これらの結果から、蛍光バーコードを調製する上でD-aTNAが最適な骨格であることが分かった。
更に蛍光バーコードを利用した蛍光イメージングを試みた。具体的にはストレプトアビジンを固定化したポリスチレンビーズに対して、ビオチン修飾を施したD-aTNAを添加することで固定化した。その後、蛍光色素修飾D-aTNAを添加し二重鎖形成させることで蛍光バーコードを固定化したビーズを調製した。相補鎖添加時の蛍光変化を共焦点レーザー顕微鏡によって観察を行った結果、設計通り蛍光色が変化したことから蛍光バーコードを利用したイメージングが可能であることが分かった。また、異なる蛍光色の配列を持つ蛍光バーコードを固定化したビーズを混合し、同時イメージング可能かどうか検討を行った。9種類の蛍光バーコードを固定化したビーズについて観察を行った結果、これらが識別可能であることが分かった。すなわち、蛍光バーコードを利用した複数分子の同時イメージングが可能であることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では2か年の研究機関において、1)人工核酸を利用した蛍光バーコードの開発、及び2)蛍光バーコードを利用した複数種類の生体分子の同時イメージングについて検討を行う予定にしている。
このうち1)については初年度においてほぼ達成することが出来た。すなわち、人工核酸を利用した蛍光バーコードが設計通り機能することを明らかにした。また、蛍光バーコードを固定化したポリスチレンビーズを利用することで、複数種類の蛍光バーコードをイメージングで識別することに成功した。2)についても現在抗体への蛍光バーコードの固定化方法の検討などを行っている。
以上のことから、本研究が順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

最終年度は初年度に開発した蛍光バーコードを生体分子イメージングに応用することを目指す。具体的には、蛍光バーコードを修飾した抗体を合成し、それを利用した蛍光イメージングを試みる。まず、抗体のリジン残基とクロスリンカーを結合させ、チオール修飾したD-aTNAと共有結合させる。その後、蛍光修飾D-aTNAと二重鎖形成させることで抗体上に蛍光バーコードを調製する。この抗体を固定化培養細胞に添加し、相補鎖添加時の蛍光変化を共焦点レーザー顕微鏡で観察する。抗体としては細胞内オルガネラに選択的に結合する抗体を使用する。複数のオルガネラの同時イメージングを実現することで、本手法の妥当性・優位性を実証する予定である。

Causes of Carryover

(理由)
当初計画では人工核酸の配列を最適化することで、蛍光バーコードの高機能化を図る予定であった。しかしながら、最初に合成した配列が極めて良好に機能したため、最適化を行う必要がなく、当初予定よりも有機合成試薬などへの支出を低く抑えることが出来た。
(使用計画)
これまでに合成した人工核酸を抗体に共有結合することで生体分子検出へと展開する。抗体は一般的に非常に効果であるため、そのため前年度以上の生化学試薬を使用する予定である。また、積極的に学会・論文発表することで社会に発信する予定であり、そのための予算を計上してある。

  • Research Products

    (6 results)

All 2020 2019

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Efficient Light‐Harvesting Antennae Resulting from the Dense Organization of Dyes into DNA Junctions though d ‐Threoninol2020

    • Author(s)
      Kashida Hiromu、Azuma Hidenori、Maruyama Ryoko、Araki Yasuyuki、Wada Takehiko、Asanuma Hiroyuki
    • Journal Title

      Angewandte Chemie International Edition

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      10.1002/anie.202004221

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 蛍光色が逐次変化する核酸蛍光バーコードの開発2020

    • Author(s)
      牧野航海, 樫田 啓, 浅沼浩之
    • Organizer
      日本化学会第100春季年会(開催中止)
  • [Presentation] 単純な構造を持つ核酸の開発及びその応用2019

    • Author(s)
      樫田啓
    • Organizer
      樫田啓 , 第5回生体分子科学シンポジウム
    • Invited
  • [Presentation] 蛍光変化する核酸蛍光ラベル化剤の開発2019

    • Author(s)
      牧野航海, 樫田 啓, 浅沼浩之
    • Organizer
      第169回東海高分子研究会講演会(夏期合宿)
  • [Presentation] 生体分子の網羅的イメージングを可能とする蛍光バーコードの開発2019

    • Author(s)
      牧野航海, 樫田 啓, 浅沼浩之
    • Organizer
      第13回バイオ関連化学シンポジウム
  • [Presentation] 核酸の鎖交換反応を利用した蛍光変化する蛍光ラベル化剤の開発2019

    • Author(s)
      牧野航海, 樫田 啓, 浅沼浩之
    • Organizer
      第68回高分子討論会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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