2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K22251
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村上 慧 名古屋大学, 理学研究科(WPI), 特任准教授 (90732058)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | ヘテロ芳香環 / アミノ化 / 気孔 / 開口阻害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は気孔に作用する芳香族アミンSIM1の誘導体合成を行うとともに、構造活性相関研究を行なった。誘導体合成は二段階の反応を用いて行なっている。一段階目は分子コアとなる2,4-ジアリールオキサゾールの構築である。4-アリールオキサゾールのC-Hアリール化を用いることにより、多様なアリール基をC2位に導入することができた。アリール基以外にも、アルキル基の導入の検討を行なった。C-Hアルキル化手法による導入ができなかったため、環化反応による別ルートを経由して、2,4-二置換オキサゾールに導いた。二段階目はオキサゾールの5位のアミノ化である。我々がこれまでに開発した銅触媒を用いるジフェニルスルホンイミド化、もしくは光触媒をもちいるスルホンイミド化を用いて、合成を行なった。本手法の適用範囲は広く、多種多様なSIM1誘導体を合成することができた。これらの活性を調査した結果、2-メチル-4-フェニルオキサゾールのジフェニルスルホンイミド化体が良好な活性を示した。さらに検討を行なったところ、スルホンイミド部位が脱スルホン化されたスルホンアミドがより高い活性を示すことが明らかになった(以降この分子をSIM3*と呼ぶ)。本分子はSIM1と比較して、より選択的な気孔開口阻害活性があることがわかってきている(SIM1を作用させると気孔のFDA(フルオレセインジアセテート)染色時の蛍光量が減少するが、SIM3*を用いた場合には、蛍光の減少は見られなかった)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SIM誘導体の構造活性相関研究が終了し、より選択的、かつ活性の高いSIM3*を見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、SIM3*を用いて、活性への影響が少ない部位にタグを付与し、プルダウン法によるターゲットタンパク質の同定に取り組む。具体的には、ビオチン部位をタグとして有するSIM3*誘導体を合成する。
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Causes of Carryover |
本年度は研究室にすでにある試薬やガラス器具を用いることで、研究を行えたため、物品費は次年度に繰り越すこととした。本年度はちょうど論文投稿を行なったところであり、論文受理が見込まれる次年度に学会発表を行うことを計画している。
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Research Products
(17 results)