2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K22251
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
村上 慧 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (90732058)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | ヘテロ芳香環 / アミノ化 / 気孔 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はN-(2-methyl-4-phenyloxazol-5-yl)benzenesulfonamide(SIM3*)の合成検討を行なった。具体的には2-methyl-4-phenyloxazoleに対する直接的なスルホンアミド化反応を検討した。さまざまな条件を検討した結果、予想しない転位を伴った生成物が得られてきた。具体的には銅触媒存在下、オキサゾールに対して適切なアミノ化剤を作用させたところ、アミノ基が二つ導入されるとともに転位による新たな骨格が構築された。得られた生成物については、X線結晶構造解析によって、その構造を確認している。本分子は気孔運動には作用しなかったが、さらなる調査の結果、気孔の発生に影響を与える新活性を有することが明らかになった。この発見を契機に、収率向上を目指して条件検討を行なった。当初、10%程度の収率であったが、反応剤の当量や添加剤を検討することによって、40%程度まで収率が向上した。配位子においても種々検討を行なったが、明確な収率の向上はみられなかった。類縁体合成においては、多様なオキサゾールを合成して検討した。具体的には、2位のアリール基を嵩高いo-トリル基にしたものや、ハロゲンであるクロロ基、電子供与基であるメトキシ基を有するオキサゾールを合成して、反応の検討を行なった。4位のアリール基についても多様な置換基を有するアリール基の合成に加えて、ナフチル基やヘテロ芳香環であるピリジン部位を有するオキサゾールを合成し、反応検討を行なった。多くの場合生成物が得られたが、ピリジン置換のオキサゾールでは生成物が得られなかった。いずれにおいても収率は高くなく、更なる条件検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はコロナ禍により、研究の進捗は十分ではなかったものの新しい生物活性分子を発見することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
SIM3*の誘導体を用いるターゲットタンパク質の同定に引き続き取り組む。加えて、新たに発見した分子の作用機序の解明を行なっていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、研究計画に遅れが生じたため。
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