2020 Fiscal Year Annual Research Report
Production of chemicals that suppress generation of ROS from mitochondrial respiratory chain.
Project/Area Number |
19K22278
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三芳 秀人 京都大学, 農学研究科, 教授 (20190829)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 活性酸素 / 酸化ストレス / ミトコンドリア / 生体エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
S1QEL類はミトコンドリア複合体-Iの逆反応(キノール酸化)に伴う活性酸素の発生を抑制する化合物として、米国のBrandtらによって報告された(Brand et al. (2016) Cell Metab. 24, 582-592)。S1QEL類をシーズ化合物とすることによって、「複合体-Iの順反応(キノン還元)は阻害せず、逆反応(キノール酸化)のみを阻害して、ミトコンドリアのエネルギー代謝を撹乱することなく、活性酸素発生を根元から断つことのできる化合物」を創製することを目的として研究を実施して来た。米国のBrandtらが報告したS1QEL2.1(Brand et al. (2016) Cell Metab. 24, 582-592)が電子伝達活性の顕著な異方性(順反応阻害/逆反応阻害の比)を示すことがわかっている。令和2年度はこの化合物の分子全体に渡る幅広い構造改変を実施した。 合成した類縁体15化合物について、ウシ心筋亜ミトコンドリア粒子を用いて、順反応および逆反応に対する阻害活性(IC50値)をそれぞれ評価した。その結果、順反応あるいは逆反応に対してS1QEL2.1よりも強い阻害活性を示す化合物がいくつか発見できたが、S1QEL2.1が発揮する顕著な“阻害の異方性”を凌駕する化合物は認められなかった。 さらに、ウシ心筋ミトコンドリア複合体-IにおけるS1QEL2.1の結合部位を光親和性標識で同定するために、光反応性基としてアジド基、検出基として125Iを組み込んだ光反応性S1QEL2.1類の合成を行った。
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