2021 Fiscal Year Research-status Report
腸内細菌叢のin vivo再構築による宿主行動および生理機能の解明
Project/Area Number |
19K22295
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宮崎 亮 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80712489)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
|
Keywords | 腸内細菌叢 / ミツバチ / 社会性昆虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌は宿主の様々な生理機能や疾病に関与し、学術的にも社会的にも大きく注目されている。しかしながら、哺乳類の腸内細菌叢は数百種以上もの多様な細菌によって構成されており、そのほとんどは実験室での培養技術が確立していないため、個々の腸内細菌の役割、すなわち各腸内細菌と宿主機能の関連性やそのメカニズムを解析する実験モデルとしては不十分である。本研究では、稀有な生物学的特徴を有するミツバチを実験材料とすることで、宿主に共生する腸内細菌叢のin vivo再構築系を確立し、個々の腸内共生細菌が宿主の行動や生理機能に与える影響を直接的かつ網羅的に解明することを目的とする。研究期間3年目の本年度は、腸内細菌の組合せを変えたミツバチ (ノトバイオート個体) を用意し、その生理機能や行動を比較した。新型コロナウィルス感染症の再拡大によって研究活動が制限され、予定していた全解析を終えることができなかったが、いくつかの行動と腸内細菌の組合せにおいてコントロール群と異なる結果が得られた。本年度実施できなかった行動解析に加えて、これら有意差が得られた結果を精緻に分析するため研究期間を延長し、翌年度中に成果を発表する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大によって、所属機関の措置により研究活動が制限されたため。元々ミツバチはサンプリングできる期間が春から秋までに限られており、この 期間に計画的にサンプリングできなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き新型コロナウィルスの国内感染状況と研究機関の措置を考慮しつつ、可能な範囲で積極的に研究を続けていく。いくつかの宿主生理機能や行動については、トランスクリプトーム解析等でその分子メカニズムまで迫る。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染再拡大により、研究機関の措置によって研究活動が制限されたため、計画的に研究試料のサンプリングができなかった。研究期間延長によって翌年度にサンプリングや解析を継続し、論文等で成果発表する予定である。
|
Research Products
(2 results)