2020 Fiscal Year Research-status Report
Genome editing of a new self-incompatibility gene of potato
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19K22302
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐々 英徳 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授 (50295507)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | ばれいしょ / 自家不和合性 / 非S因子 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
ばれいしょは非穀類としては最重要作物であるが、同質四倍体の栄養繁殖性植物という特性が育種上の大きな障壁となっている。本研究はばれいしょの雑種第一代品種(F1)育種法の基盤構築を目指し、二倍体ばれいしょ系統の新規自家不和合性非S因子のゲノム編集による破壊により、自家和合性二倍体ばれいしょ系統を作出する。自家和合性の二倍体ばれいしょ系統を用いれば純系を育成することができ、これまでばれいしょでは不可能だったF1育種が可能となり、超多収などの画期的品種育成に繋げられる。すでに自家不和合性雌ずい側決定因子であるS-RNaseの遺伝子破壊により、自家和合性二倍体ばれいしょを作出した報告はあるが、実用育種技術としては問題点がある。S-RNase遺伝子は組換え抑制部位である動原体近傍に座乗するため、S-RNase遺伝子破壊個体を育種に利用する場合、長大な染色体領域が連鎖ブロックとして交雑後代に引き継がれるため、連鎖ブロック内に有害遺伝子が存在した場合に大きな問題が生じる可能性がある(遺伝的均一化による遺伝的脆弱性)。我々がペチュニアで見出した新規の自家不和合性非S因子2H12のばれいしょオルソログは染色体末端に座乗するため、有害遺伝子が連鎖していても組換えで用意に除去できる。このため本研究では、ばれいしょ2H12を標的にゲノム編集を行い、自家和合性ばれいしょ作出を試みる。 本年度は、我々がペチュニアで見出した新規の自家不和合性非S因子2H12のゲノム編集個体の作出に引き続き取り組んだ。複数の再分化個体が得られたが、フローサイトメトリー解析を行ったところ、多くの再分化個体は四倍体、あるいは四倍体と二倍体のキメラであることが判明した。四倍体やキメラは本研究の目的にそぐわないため、二倍体個体を選抜し、それらの2H12遺伝子の配列解析を行った。その結果、遺伝子破壊が生じた二倍体個体を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノム編集により、目的の2H12遺伝子破壊が生じた二倍体ばれいしょ個体を作出することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き2H12遺伝子破壊が生じた二倍体ばれいしょ個体の作出・選抜を続けるとともに、開花した個体については自家不和合性表現系の変化が見られるかを解析する。また、自殖後代の遺伝子型を解析し、ゲノム編集カセットを持たず、2H12破壊アリルをホモで持つnull-segregantの取得を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナで入構制限がかかり、予定していた規模の解析ができなかったため。
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