2019 Fiscal Year Research-status Report
Molecular mechanism of interactions between phyllosphere C1-microbes and plants and its application in environmental conservation agriculture
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19K22307
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00283648)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 生物間相互作用 / 葉面微生物 / 作物増収 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. C1細菌-植物間相互作用の分子機構解明 アカシソとMethylobacterium sp. OR01株の特異な関係をモデル系とし、葉面C1細菌の植物定着能、葉面での優占化、種間特異性、植物生長促進に関わる新奇因子を探索してその分子機構を解明するため、他種のC1細菌とともに接種したOR01株のアカシソ上での優占化過程を培養法と顕微鏡観察により追跡するとともに、OR01株の葉面での増殖に有利に働く因子の探索を行った。新規遺伝子探索のためのOR01株ゲノムライブラリー作成を進めるとともに、葉面での増殖および定着能に関与することが推測される遺伝子の遺伝子破壊株を構築した。作成した遺伝子破壊株の葉面定着能や特性評価のための解析手法も同時に確立した。 2. C1細菌接種による減肥条件下での生長促進効果の検証 イネに対する生長促進効果については、商業圃場におけるC1細菌接種による増収効果の検証を行い、過去の接種試験と同等の効果があることを確認した。本研究課題の研究開始がR1年7月であったため、R1年度は減肥条件でのイネ栽培が出来なかったが、R2およびR3年度には無施肥圃場を用いた接種試験を行う予定である。またイネ以外にもいくつかの作物を候補として人工気象器内での栽培系を検討し、コマツナが評価対象作物として適していることがわかった。R2年度以降は、イネの複数品種に加え、コマツナを対象として、C1細菌接種による生長促進効果の検証を進めることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
C1細菌-植物間相互作用の分子機構解明については、葉面C1細菌の植物上での動態追跡や、葉面増殖能に関わる機能評価のための解析手法を確立することができた。OR01株ゲノムライブラリーの作成については、諸条件の最適化を行ったが高効率ライブラリーの作成には至らなかった。一方、遺伝子破壊株については、複数の候補遺伝子について構築することができた。C1細菌接種による減肥条件下での生長促進効果の検証については、減肥条件での評価には着手できなかったものの、R2年度以降への準備状況としては概ね計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
C1細菌-植物間相互作用の分子機構解明については、前年度に引き続き、OR01株ゲノムライブラリー作成と導入を進めるとともに、各種遺伝子破壊株の葉面での生育特性評価を行う。C1細菌接種による減肥条件下での生長促進効果の検証については、複数のイネ品種に対する初期生長への効果を調べるとともに、無施肥圃場での増収効果を調べる。コマツナについては、R2年度は実験室レベル(人工気象器内)での解析を主に行う。
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Causes of Carryover |
購入予定の消耗品の変更および学会などへの参加計画変更のため、未執行額が生じた。当初計画分の他、研究効率化のための物品の購入や研究参画者の国内学会参加のための旅費に使用する。
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