2019 Fiscal Year Research-status Report
高グリチルリチン酸生産に資する微生物共生を利用した薬用植物カンゾウの栽培法
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19K22314
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
鈴木 章弘 佐賀大学, 農学部, 教授 (50305108)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 薬用植物 / カンゾウ / 菌根菌 / グリチルリチン酸 / 共生 / 根粒菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
小課題1:カンゾウの成長とGL含量に及ぼす菌根菌接種の影響評価 スペインカンゾウについては,菌根菌接種後60日,90日,180日,360日に地下部のバイオマス,グリチルリチン(GL)含量,GL合成のマーカー遺伝子の発現解析を行うべく栽培試験を開始した。60日に関しては,GL含量はほとんど検出できないレベルであるが,遺伝子発現に関しては,菌根菌接種によって発現上昇の傾向が見られた。180日と360日のサンプルに関しては栽培を継続している。 小課題2:カンゾウの成長とGL含量に及ぼす根粒菌接種の影響評価 スペインカンゾウはウラルカンゾウとは違って多くの場合根粒を形成しないが,ほぼ100%の確率で根粒を形成する根粒菌を単離することに成功した。それを用いて根粒菌接種後60日,90日,180日,360日に地下部のバイオマス,グリチルリチン(GL)含量,GL合成のマーカー遺伝子の発現解析を行うべく栽培試験を開始した。60日に関しては,GL含量はほとんど検出できないレベルであるが,遺伝子発現に関しては,菌根菌接種によって発現上昇の傾向が見られた。180日と360日のサンプルに関しては栽培を継続している。 小課題3:菌根菌と根粒菌を同時接種した場合のカンゾウの成長とGL含量に及ぼす影響評価 小課題1および小課題2で用いた根粒菌と菌根菌を同時に接種し,同様の栽培期間で試験を開始した。ただ,大きな問題点の1つは根粒菌を接種していない実験区でも根粒が形成されてしまうことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに実験が推移していると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
小課題1:1年目に開始した栽培試験を継続する。またウラルカンゾウについても同様の試験を行う。 小課題2:1年目に開始した栽培試験を継続する。またウラルカンゾウについても同様の試験を行う。 小課題3:1年目に開始した栽培試験を継続する。またウラルカンゾウについても同様の試験を行う。 根粒菌非接種区でも根粒が形成されてしまう問題点については,目的に応じて外部からの雑菌が侵入しない閉鎖系で接種試験を行う。またウラルカンゾウへ効率よく根粒を形成する根粒菌は既に単離済みである。
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Research Products
(1 results)