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2020 Fiscal Year Research-status Report

Elucidation of fruiting body formation mechanism in fairy ring disease

Research Project

Project/Area Number 19K22330
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

崔 宰熏  静岡大学, 農学部, 准教授 (40731633)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 道羅 英夫  静岡大学, 理学部, 准教授 (10311705)
鈴木 智大  宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (10649601)
Project Period (FY) 2019-06-28 – 2022-03-31
Keywords発現差解析 / 共存培養 / フェアリーリング病 / ドラフトゲノム配列
Outline of Annual Research Achievements

「妖精が輪を作ってその中で踊る」と伝えられてきたフェアリーリングについて、研究代表者らがフェアリーリングという未解明な生命現象を説明する分子群をキノコから発見したことで、その謎解きに終止符が打たれた。一方、フェアリーリング上でキノコが発生する際には、芝からの化学シグナル(子実体形成物質)が分泌される可能性があるが、その分子は全く不明である。本研究では、フェアリーリング形成菌を芝に人工的に感染させ、その感染過程を2次代謝産物・遺伝子を解析し、感染から子実体発生に至る分子機構の解明を試みた。昨年度、コムラサキシメジはフェアリー化合物の骨格を構成する窒素原子の供給源の候補である一酸化窒素(NO)を産生する一酸化窒素合成酵素(NOS)に相同性のあるタンパク質をコードする遺伝子を8個もっていることを明らかにした。NO代謝に関わる他の遺伝子を探索したところ、シトクロムP450スーパーファミリーに属する一酸化窒素還元酵素をコードする遺伝子が2個存在していることが明らかになった。コムラサキシメジから単離する化合物の生物活性試験を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度はコロナの影響でRNA-seq実験などの高額実験を行うことができなかったので、次の年度の研究計画に変更した。
コムラサキシメジはフェアリー化合物の骨格を構成する窒素原子の供給源の候補である一酸化窒素(NO)を産生する一酸化窒素合成酵素(NOS)に相同性のあるタンパク質をコードする遺伝子を8個もっていることを明らかにした。詳細な分子系統解析を行ったところ、これらのNOS様タンパク質はこれまでに知られているNOSとは系統的に分かれた子嚢菌型のファミリーであり、担子菌ではコムラサキシメジ属3種のみに存在していることが明らかになった。そこで、NO代謝に関わる他の遺伝子を探索したところ、シトクロムP450スーパーファミリーに属する一酸化窒素還元酵素をコードする遺伝子が2個存在していることが明らかになった。一方、同属のムラサキシメジとオオムラサキシメジには1個しか存在していなかった。シトクロムP450は一般的にはモノオキシゲナーゼとして機能するが、P450norは一酸化窒素を還元して一酸化二窒素(亜酸化窒素; N2O)を産生する反応を触媒するという特有の機能をもつ酵素である。P450norは子嚢菌では植物病原性糸状菌であるFusarium oxysporumから初めて単離され、子嚢菌には広く存在することが明らかになっている。
また、菌類とシバとの共存培養法の確立に成功した。コムラサキシメジとシバとの共存培養はそれぞれの単独培養よりも、芝と菌糸体の生育促進が観察された。その条件でのそれらのRNAを抽出し発現差解析と低分子化合物の探索を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

担子菌ではP450nor遺伝子は病原性酵母2種に存在していたが、分子系統解析により、ムラサキシメジ属3種のP450norはこれらの担子菌や子嚢菌のP450norとは系統的に離れていることが明らかになった。NO産生に関わるNOS様タンパク質遺伝子とNOを還元してN2Oを産生するP450nor遺伝子をもつ担子菌はごくわずかな種に限られているにも関わらず、ムラサキシメジ属3種がこれらを有している点は非常に興味深い。フェアリーリング形成やコムラサキシメジとシバの相互作用においてこれらの酵素が関与しているかどうかを調べる必要があると考えられる。
菌類とシバとの共存培養法を確立成功したした。コムラサキシメジとシバとの共存培養はそれぞれの単独培養よりも、芝と菌糸体の生育促進が観察された。その条件でのそれらのRNAを抽出し発現差解析と低分子化合物の探索を行う予定である。躯体的にはコムラサキシメジの単独時と共存時の比較、シバの単独と共存時の比較をおこない、感染時の遺伝子発現を明らかにする。また、その時の低分子化合物の単離も続けて試みる。また、他のフェアリーリング形成菌も同様に実験を行い、共通遺伝子・低分子化合物を同定・探索を行う。

Causes of Carryover

コロナの影響でRNA-seq実験などの実験を行うことができなかったので、次の年度の研究計画に変更し、そのための経費を次年度に使用することにした。

  • Research Products

    (5 results)

All 2021 Other

All Presentation (4 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] フェアリー化合物の作用機序解明に向けたシロイヌナズナ有用系統の探索2021

    • Author(s)
      伊藤 綾乃, 鈴木 智大, 崔宰熏, 青木 大地, 野村 崇人, 岡本 昌憲, 河岸 洋和
    • Organizer
      日本農芸化学会
  • [Presentation] Screening for highly sensitive ecotypes of Arabidopsis thaliana against fairy chemicals2021

    • Author(s)
      Ayano Ito, Tomohiro Suzuki, Jae-hoon Choi, Daichi Aoki, Yudai Tsutsumi, Takahito Nomura, Masanori Okamoto, Hirokazu Kawagishi
    • Organizer
      日本分子生物学会
  • [Presentation] コムラサキシメジ菌糸体培養濾液由来の植物成長調節物質の探索2021

    • Author(s)
      住田 真晟、呉 静、崔 宰熏、伊藤 彰将、平井 浩文、 河岸 洋和
    • Organizer
      日本農芸化学会
  • [Presentation] ICAの代謝産物であるS-ICAr-Hの存在意義についての研究2021

    • Author(s)
      古田島 美颯、崔 宰熏、呉 静、謝 肖男、木村 洋子、道羅 英夫、大西 利幸、平井 浩文、浅川 倫宏、大内 仁志、稲井 誠、菅 敏幸、河岸 洋和
    • Organizer
      日本農芸化学会
  • [Remarks] 生物化学研究室のhomepage

    • URL

      https://shizudai-biological-chemistry.labby.jp/

URL: 

Published: 2021-12-27  

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