2021 Fiscal Year Annual Research Report
逆平行鎖セルロース分子集合体の合成 -マーセル化を深く理解するために-
Project/Area Number |
19K22334
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上高原 浩 京都大学, 農学研究科, 教授 (10293911)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | セルロース / マーセル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
セルロースのマーセル化とはセルロースのアルカリ膨潤処理のことを言う。マーセル化によりセルロースの結晶構造はセルロースI型からセルロースII型に変化する。セルロースI型はセルロース分子鎖が平行に、セルロースII型は逆平行に配向していると言われている。本研究では、隣り合う分子鎖が逆平行であるセルロース分子鎖集合体を合成し、『マーセル化がセルロース分子鎖の方向に与える影響』に関して新知見を得る。研究計画に従い、最終年度である本年度は下記の通り成果を得た。 1.平行かつ分子鎖間に~2.6オングストロームのズレが無い二本鎖セロビオース誘導体、平行かつ分子鎖間に~2.6オングストロームのズレが有る二本鎖セロビオース誘導体、逆平行かつ分子鎖間に~2.6オングストロームのズレが無い二本鎖セロビオース誘導体、逆平行かつ分子鎖間に~2.6オングストロームのズレが有る二本鎖セロビオース誘導体の合計4種類の二本鎖誘導体の合成に成功した。 2.平行かつ分子鎖間に~2.6オングストロームのズレが有る二本鎖低重合度セルロース誘導体の合成に成功した。 3.平行かつ分子鎖間に~2.6オングストロームのズレが有る二本鎖のアセチル化低重合度セルロース誘導体は、広角エッスス線回折実験により、CTA-II型の結晶型を有することが明らかとなった。 2021年度の研究により、基本的な4種類の化合物の合成法を確立し、4種類のうち1種類の低分子量セルロースを用いた合成実験に適用することが出来た。
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Research Products
(2 results)